DP-Blog

ディープインパクト産駒を研究してPOGでの勝利を目指すシロウト競馬ファンの奮闘記

2015年08月

上がり3F32秒4の末脚

今回は、レプランシュの新馬戦を取りあげます。

https://www.youtube.com/watch?v=PVypTk26o4k
http://db.netkeiba.com/race/201504020505/

スタートがもう一つだったうえに、道中の行きっぷりもよくなく、スローペースにもかかわらず、いつの間にやら最後方まで下がる展開で、4角を回るときには早くもステッキが入いり、どうなることかと思われたのですが、そこから豪快に伸びてまとめて差し切ったのには驚かされました。上がり3F32秒4は、いくらスローとはいえ、素晴らしい数字です。
逃げたのは、同じくディープ産駒のサンセットトウホクで、こちらは持ったままの抜群の手応えで直線に向かい、上がり3Fも33秒5でまとめたにもかかわらず、ゴール前で捕まってしまいました。今回は、相手が悪かったとしか言いようがなく、次走は確勝だと思います。
レプランシュは、パドックでも太めが目につき、道中の行きっぷりの悪さも含めて、まだまだ仕上がり途上なのは明らかでしたが、それでも上がり32秒4の末脚ですから、ポテンシャルはかなりのものと考えてよいでしょう。
ただし、上がりのタイムについては、今開催の前に大規模な馬場改修が行われた影響は考慮に入れておくべきです。すでに、アストラエンブレムやイモータルなど、2歳戦でも32秒台の上がりが連発されているので、例年よりもやや割り引いて見ておく必要があるでしょう。しかし、少々の割り引きくらいでは、レプランシュの末脚の破壊力の価値は揺るがないだろうと思います。とくに、太め残りでもこれだけの脚が使えた点は評価されるべきでしょう。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001174442/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきます。
母レディドーヴィルは、ファビラスラフインの半妹。英仏愛独25戦6勝で、G3重賞に勝っています。
祖母メルカルは、仏英28戦8勝で、仏G1・カドラン賞(芝4000m)に勝ちました。産駒では、やはりファビラスラフインの活躍が突出しています。
母系は、中堅どころの、バロネスラフレシュ牝系。サンデーサイレンスやインディアンリッジを輩出した牝系ですが、近年は、欧米よりもオセアニアのほうで栄えている感じです。日本では、ファビラスラフインとその周辺が実績を残しています。

(1)母父ファスリエフ
ディープ×母父ファスリエフの配合は、レプランシュが2頭目のデビューで、初の勝ち上がりとなります。他にマーシフルハートという3歳馬がいますが、現時点で未勝利とはいえ、380キロあるかないかの小柄な馬体ながら、新馬戦でも2着とそこそこ頑張っているので、じきに勝ち上がる可能性もあるでしょう。
ファスリエフは、ノーザンダンサー~ヌレイエフの系統で、G1を2勝したものの故障で無敗のまま引退しました。種牡馬としては期待されたほどには成功せず、のちに日本に売られましたが、日本の馬場に適性が無かったのか、輸入前とは比較にならないほど散々な成績に終わりました。
種牡馬実績は残念なものでしたが、個人的には、ディープ×母父ファスリエフの配合は、なかなか相性のよさそうな掛け合わせだと考えています。
というのも、ディープとの交配では、栗山求氏の指摘されているディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルの配合パターンが、他の部分に関係なく自動的に成立するからです。
また、ファスリエフにはネヴァーベンドの血もありますが、ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル×ネヴァーベンドということでは、ディープブリランテやショウナンアデラが該当します。
繰り返しになりますが、こうしたパターンが、母馬の他の要素とは無関係に、ファスリエフ単独で成り立つところがセールスポイントというわけです。
また、ファスリエフには、ドナテロ、ハイぺリオン、サンインロー、アロペ(ディープの8代母)の血があるので、ディープの母ウインドインハーヘアとは、組み合わせのクロスとまでは言えないかもしれませんが、相互に増幅しあう関係にあるとは考えてもよいでしょう。
以上のような特徴から、ファスリエフ自身は種牡馬としては二流で終わったものの、ディープ産駒の母父として成功する可能性は、それなりに高いのではないかと思います。

(2)まとめ
母父ファスリエフの配合が、ディープと好相性な要素でまとめられているのに対し、母母メルカルの配合は、ディープとの関連性という点では、あまりはっきりした特徴がありません。
しいて言えば、メルカルには、ウォーレリック≒エイトサーティ6・6×5があるので、柔らかいディープに硬さの補給が出来ることと、ワイルドリスクの血を持つので、レプランシュとして、ワイルドリスク7×7のクロスが生じることなどでしょうか。
しかし、メルカルの娘&レディドーヴィルの半姉であるファビラスラフインの血統表を見ると、ディープとメルカルとは別の意味で好相性ではないかということが浮かび上がってきます。

ファビラスラフイン
http://www.jbis.or.jp/horse/0000275639/pedigree/

ファビラスラフインの父ファビュラスダンサーと、ディープの母ウインドインハーヘアとは、もし交配された場合、組み合わせのクロス(ノーザンダンサー、ドナテロ、ハイぺリカム(ディープの5代母)が共通)が発生する関係にあります。(1)では、ファスリエフとウインドインハーヘアの関係性について触れましたが、それとは桁違いに強い関係となります。なぜなら、ファビュラスダンサーとウインドインハーヘアは母系が同じ(両馬の4代母はハイペリカムだからです。
このことが意味することは、ウインドインハーヘアとメルカルの相性のよさは、すでにファビラスラフインによって実証済みだということです。
レプランシュの血統を考えると、残りはサンデーとファスリエフになりますが、ファスリエフとウインドインハーヘアの関係は(1)で触れたばかりですし、ファスリエフ×メルカルのレディドーヴィルは、重賞勝ち馬ですから、相性に問題ありません。
では、サンデーの血との相性はどうかということですが、上述のように、もともとレプランシュの母系は、サンデーを出した母系ですから、相性の悪かろうはずがありません。念のため、ファビュラスラフインの代表産駒である、ギュスターヴクライ(父ハーツクライ)の配合を検討しておきましょう。

ギュスターヴクライ
http://www.jbis.or.jp/horse/0001088382/pedigree/

ギュスターヴクライには、ファスリエフと関連のある血はないのですが、リファールの血があるので、ギュスターヴクライ+ファスリエフ≒レプランシュと言えなくもない配合です。
ともかく、サンデー系とメルカル一族の相性のよさも、これで確認されたと考えてよいでしょう。
以上の検討から、ディープ×ファスリエフ×メルカルの配合は、なかなかの好相性であると言えそうです。(1)で見てきたとおり、ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルの大枠がしっかりしていますし、全体的にも好配合と見なしてよいと思います。

https://livedoor.blogimg.jp/yubu0506/imgs/4/7/47ad3176.jpg

引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
画像を見るかぎり、ディープよりもファスリエフ寄りの体型だと思います。
特徴としては、ディープ産駒らしからぬパンとしたトモの張りが目につきます。
スピードタイプかもしれませんが、すくなくとも2000mくらいまでは問題なさそうです。それ以上の距離は、やってみないと分からないという感じでしょうか。

ファスリエフ
http://www.jbis.or.jp/horse/images/0000372610_1/
ディープインパクト
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif

最後に、今後の展望について。
最後方一気のゴボウ抜きは、非常に大物感を感じさせますが、その一方で道中の走りには課題が残りました。
まだまだ仕上がり途上で、最終的にどのように完成されるのか予測が難しいところです。
血統的なポテンシャルは充分なので、あとはもう少しスムースなレース運びが出来るかでしょう。
もちろん、条件戦でうろうろするようなレベルじゃないのは当然で、クラシックに出るだけなのか好勝負するのかというところが問われていくでしょう。
また、来春の進路をダービー路線とするのかNHKマイル路線とするのかも注目されます。
なお、レース後は、秋に備えて放牧となりました。

ラジオNIKKEI賞戦評

どうもすっきり風邪が抜けきらなくて困っております。床に伏せるほどでもなく、かといって動き回るとだるさを感じるといった具合です。
しかし愚痴ってばかりもいられませんので、ちょっと間があいてしまいましたが、アンビシャスが快勝したラジオNIKKEI賞を振り返っておきましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=dLCtvgZ1wig
http://db.netkeiba.com/race/201503020211/

道中は中団後方につけ、直線では突き放す一方の圧勝劇でした。たしかに、いくらか相手に恵まれた感はあるものの、プリンシパルSや共同通信杯3着の内容を考えれば、これくらいは当然と言うべきかもしれません。
むしろ、トライアルを快勝しながらも、ダービーではなくこちらを選択した陣営のチョイスは、現実的といえばそれまでですが、ちょっと疑問に思う部分もなくもないところではあります。ともあれ、この快勝により改めてクローズアップされたのは、共同通信杯のレベルの高さですね。
今後のことですが、陣営によれば、秋は天皇賞路線で、毎日王冠から始動予定とのこと。エピファネイアやフェノーメノが引退、ゴールドシップのローテーションも流動的ということで、古馬勢はかなり手薄になると予想されるので、アンビシャスなど3歳勢にもチャンスは充分あると思います。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001152157/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきましょう。
母カーニバルソングは、12戦1勝。産駒は、他にこれといった活躍馬はいません。アンビシャスの全兄インターンシップは、現時点で9戦1勝(現役)。
祖母カルニオラは、仏7戦4勝。凱旋門賞馬ソーマレズの4分の3同血の姪にあたります。オークス4着の実績があるニシノアカツキは曽孫。
3代母カーニヴァルスピリットは、ソーマレズの半姉。産駒には、G3重賞に勝ったエグゾールテイションがいます。G1を3勝した曽孫のラッシュラッシーズは日本に輸入され、ディープ産駒の2番仔は今年のセレクトセールで2億3000万円の高額で落札されました。
母系は、マイナーなメラライン牝系。ソーマレズの母フィエスタファンの子孫の系統だけが、例外的に繁栄しているようです。

エルコンドルパサー
http://www.jbis.or.jp/horse/0000299155/pedigree/

配合的には、母父エルコンドルパサーが注目されるところです。エルコンドルパサー自身の配合は、なんといっても、スペシャル=リサデル4・4×3の全姉妹クロスが印象的です。
よく知られた事実ですが、エルコンドルパサーの代表産駒の配合は、この全姉妹クロスをいじらない場合が殆んどで、唯一の例外は、ステイヤーズSの勝ち馬であるエアジパングが、スペシャル=リサデル5・5・4×4と継続したケースだけでしょう。しかし、母父にまわった場合、クリソライトアイムユアーズなど、この全姉妹クロスを継続して成功した例も多いようです。
さて、ディープ×母父エルコンドルパサーの配合ですが、これまでに8頭がデビューして6頭が勝ち上がり、重賞に勝ったのはアンビシャスが初めてですが、他にマリアライトがマーメイドSに2着しています。アヴェレージ的には、まずまずといったところでしょうか。
ディープ×母父エルコンドルパサーで注目されるのは、栗山求氏の指摘される、ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルのパターンに、自動的に当てはまることでしょう。

デニムアンドルビー
http://www.jbis.or.jp/horse/0001126790/pedigree/

とくに、デニムアンドルビーとは配合的な共通点が多く、たんにディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルが共通しているだけでなく、スペシャルのクロスがある点や、シャーペンアップの血がある点も共通しているわけです。
アンビシャスの場合、栗山求氏が指摘される別の配合パターンである、ディープ×ヌレイエフ×ブラッシンググルームにも当てはまっています。ヴィルシーナ、ミッキークイーン、フレールジャック&マーティンボロ、ベストディールなどにあるパターンです。

ヴィルシーナ
http://www.jbis.or.jp/horse/0001107937/pedigree/
ミッキークイーン
http://www.jbis.or.jp/horse/0001156953/pedigree/

アンビシャスのように、ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルと、ディープ×ヌレイエフ×ブラッシンググルームの2つのパターンを併せ持つケースというと、ヴィルシーナとミッキークイーンがあげられます。G1を狙える好配合と言うことができそうです。

カーニヴァルスピリット
http://www.jbis.or.jp/horse/0000398153/pedigree/

アンビシャスの配合の注目点として、3代母カーニヴァルスピリットも無視できません。父クリス×母父ウェルシュページェントの配合ですが、クリスもウェルシュページェントも、ドナテロ&ハイペリオン&サンインローの血を持つので、どちらもディープの祖母バークレアと組み合わせのクロスの関係が成り立ちます。
また、スペシャル&リサデル姉妹の父フォルリは、モンパルナス(サンデーの母母父)、ハイライト(ディープの4代母)、ミクストマリッジ(母母母父クリスの父父母)と組み合わせのクロス(ハイペリオン、サンインロー+アロペ、テディが共通)をなしています。フォルリの血は3本もあるので、なかなか強力でしょう。
こうしたハイインロー絡みの血が豊富で、しかもクロスの形で有効活用されているということは、成長力に大きく寄与する可能性が高いと思われます。ディープ×母父ミスプロ系の配合は、母馬にハイインローの血が豊富なほうが成功しやすいので、その点でも重要です。

http://www.keibado.com/keibabook/150706/photo08.html

引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
体型的には、ディープよりもエルコンドルパサーが強く出ています。
ただし、エルコンドルパサーよりも全体的にスマートなのは、ディープの影響だと思います。

エルコンドルパサー(3歳・NHKマイル)
http://www.keibado.com/keibabook/980518/pp04.html
エルコンドルパサー(3歳・ジャパンC)
http://www.keibado.com/keibabook/981130/pp02.html

ディープインパクト(3歳・皐月賞)
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif

CBC賞戦評(編集中)

ウリウリが、ディープ産駒として初の1200mの重賞を制した、CBC賞について振り返っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=RXdT_PIdSEk
http://db.netkeiba.com/race/201507030211/

http://www.jbis.or.jp/horse/0001125960/pedigree/

http://www.keibado.com/keibabook/150706/photo01.html

(以下、記事を編集中です)

ワンカラットの初仔

どうも夏風邪にやられたようで、更新が滞っておりますが、なんとか立て直しでいきたいと思います。
今回は、ワントゥワンのデビュー戦を取りあげます。

https://www.youtube.com/watch?v=ryUroO-woSs
http://db.netkeiba.com/race/201507030705/

スタートはそれほど良くなかったのですが、さっと好位につけて、直線もすんなり抜け出して人気に応えました。馬体重は、416キロしかなかったのですが、センスの良さを感じさせる内容だったと思います。
今後の課題としては、やはりウエイトアップに尽きるでしょう。430キロくらいまで増やせれば、先々有望だと思います。
重賞4勝のワンカラットの初仔ですが、ワンカラットは2番目の仔を生んだ後で亡くなっているので、その血を娘のワントゥワンがつないでいくことが期待されるところです。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001173676/pedigree/

それでは、血統から見ていきましょう。
母ワンカラットは、フィリーズレビューなど1200~1400mの重賞を4勝しました。472キロでデビューしましたが、最終的には540キロ台まで体重が増加しています。
祖母バルドウィナは、フランスのG3に勝ちました(芝2100m)。産駒は、ワンカラット以外では、愛知杯2着のサンシャインがいます。ディープ産駒も、ベアトリッツ(23戦3勝)とトップアート(13戦2勝)の2頭がいて、どちらも現役です。
3代母バリオカは、仏19戦10勝ですが、そのうち13走(8勝)は障害レースでした。自身だけでなく、近親にも障害馬の多い一族です。
5代母ブレシアは、自身の産駒は重賞入着級どまりでしたが、子孫が繁栄し、一族の中興の祖的な存在となりました。
母系は、アナバーやキーオブラックの出た、欧州の中堅どころのボボリンク牝系。ボボリンクはイギリスの馬ですが、活躍馬はフランスから多く出ています。日本では、ショウナンアデラが唯一のG1勝ち馬です。

(1)4分の3同血とは言うものの
血量的には、ワントゥワンと、ベアトリッツ&トップアートとは、4分の3同血ということになるわけですが、血統表から受ける印象は、かなり違っているように感じられます。
祖母バルドウィナ(ベルフィオーレ&トップアートの母)は、欧州の傍流血脈を集めたような配合で、ディープとの関連性は高いとは言えず、ベアトリッツやトップアートは、典型的なアウトブリード配合となっています。こういった配合は、健康的ではありますが、大物が出るかどうかという観点では、確率の高くない雑種強勢的な効果に期待するよりありません。
しかし、ワンカラットの代でファルブラヴが入いったことで、ワントゥワンの配合は、ずいぶんメリハリの効いたものになったと思います。
ディープ×母父ファルブラヴの配合では、これまでに4頭がデビューして、3頭が勝ち上がり、なんといってもハープスターの活躍が光ります。
ファルブラヴの配合は、大まかにいえば、ノーザンダンサー×ナスキロラトロですから、フレンチデピュティ、カーリアン(厳密にはロイキロラトロ)、ラストタイクーンなどと同じく、ディープ産駒の母父向きの配合です。
また、ファルブラヴの父フェアリーキングの全兄はサドラーズウェルズですが、ワンカラットの母父ピストレブルーはハイトップ系ですから、母ワンカラットの配合のベースは、サドラーズウェルズとハイトップのニックス関係に基づくものと考えられます。
ファルブラヴの血が入いることは、ディープにとってもバルドウィナにとっても、好ましいことだと考えてもよいでしょう。

(2)ハイインロー+アロペ

モンパルナス(サンデーの母母父)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336896/pedigree/
ハイペリカム(ディープの5代母)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000401598/pedigree/
フォルリ(母父父フェアリーキングの母母父)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000334262/pedigree/
カヴァートサイド(4代母バンガロールの父カドマスの母)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000402713/pedigree/

(1)で見たとおり、ワンカラットの配合は、ディープ×ノーザンダンサー×ナスキロラトロのパターンですが、それ以外に特徴的なのは、モンパルナス&ハイペリカム&フォルリ&カヴァートサイドの組み合わせのクロス(ハイぺリオン、サンインロー+アロペ(ディープの8代母)が共通)でしょう。
たんなるハイインロー絡みのクロスというだけでなく、アロペというディープの母系の血を絡めたところがミソになっています。とくに、カヴァートサイドの母カブハントは、フォックスロー=アロウ(ディープの7代母)2×3という強烈な全兄妹クロスが配合の核となっており、ディープとワンカラットの相性に大きく寄与しているものと思われます。
また、カヴァートサイドの3代母フェオラは、ディープの6代母でもあります。ワンカラットには、ファルブラヴのほうにもフェオラの血があるので、ワンカラットとしては、フェオラ10×9のクロスがあることになります。このクロスは、血量的には非常に薄いものですが、フェオラのクロスを持つ繁殖牝馬は、ディープのお相手として抜群の相性となります。具体的には、ビューティパーラーの母バステット、カミノタサハラの母クロウキャニオン、ワールドインパクトの母ペンカナプリンセス、サトノラーゼンの母トゥーピーなどがあげられます。

(3)ショウナンアデラとの共通点

ショウナンアデラ
http://www.jbis.or.jp/horse/0001157731/pedigree/

パッと見では、ワントゥワンとショウナンアデラに配合は、それほど似ているようには思えません。
しかし、上述のように、両馬は母系が共通しています。
それから、ショウナンアデラにある、モンパルナス&ハイペリカム&ミクストマリッジ&フォルリ&オリオールの組み合わせのクロス(ハイぺリオン、サンインロー+アロペが共通)は、ワンカラットにある(2)で指摘した組み合わせのクロスと、原理的には同じものです。

(4)サンルスー≒カミーニー

アダムスピーク
http://www.jbis.or.jp/horse/0001110632/pedigree/
エタンダール
http://www.jbis.or.jp/horse/0001110567/pedigree/

(1)~(3)以外では、ワントゥワンにある、サンルスーカミーニー5×6の相似クロスにも注目しておくべきでしょう。ワイルドリスクの血を内包するクロスなので、大レースでの爆発力に期待できるクロスです。アダムスピークやエタンダールにあるクロスですが、この2頭の母馬もサドラーズウェルズ×ハイトップのニックスを持つ点で、ワントゥワンと共通しています。サンルスー≒カミーニー+サドラーズウェルズ×ハイトップのニックスというのは、いかにも欧州的な配合ですね。

(5)まとめ
ディープとバドルウィナの間に、ファルブラヴが割り込んだおかげで、さまざまな面でバランスがとれた配合になったと思います。
バドルウィナは、欧州の傍流血脈が中心ですが、そこへファルブラヴが入いることで、主流血脈や米国血脈が加わり、ディープとの関連性もアップしました。
ディープ×バドルウィナもちょっと面白い配合ですが、クラシックを目指すなら、ディープ×ワンカラットの配合のほうが、より可能性があるでしょう。

パドック動画
https://www.youtube.com/watch?v=JhQLSCiPriU

引き続き、馬体のほうも検討していきます。
画像は無いのですが、画質の鮮明なパドック動画がありました。
サイズの問題も含めて、あまりワンカラットには似ておらず、ディープの要素が強く出ているように思います。

ワンカラット(2歳・阪神ジュベナイルフィリーズ)
http://www.keibado.com/keibabook/081215/photo11.html

最後に、今後の展望について。
繰り返しになりますが、やはり、馬体重の問題に尽きるでしょう。
初仔のマイナス面が出ているのかもしれませんが、先述のように、母ワンカラットは年齢を重ねるにつれて、大幅に馬体重が増えていきました。
こうした傾向が娘にも受け継がれて、なんとか430キロくらいまでウエイトアップできれば、クラシック路線に乗ってくるのではないかと思います。
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