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ディープインパクト産駒を研究してPOGでの勝利を目指すシロウト競馬ファンの奮闘記

2016年05月

青葉賞戦評

いよいよ明日はダービーですが、出走するディープ産駒のうち、ヴァンキッシュランだけは、まだ取りあげていませんでした。
というわけで、ヴァンキッシュランの勝った青葉賞を振り返っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=Bw-51eyoYCw
http://db.netkeiba.com/race/201605020311/

なかなかの好メンバーが揃いましたが、道中5番手からラスト1Fで先頭に立ったヴァンキッシュランが、後続の追撃も凌いで、初重賞制覇とあわせてダービーへの出走権を獲得しました。
ディープ産駒としては、末脚の切れるタイプではありませんが、そのかわりに先行して押し切る欧州的な底力が魅力ですね。
2400mのレースを3度も経験しているというのは珍しく、本番でのアドヴァンテージになりそうです。
有力馬に差し馬が多いので、今回のように早めに仕掛ける競馬が嵌まるような展開になれば、一発もありうるでしょう。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001175168/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきます。
母リリーオブザバレーは、仏G1・オペラ賞(芝2000m)の勝ち馬。ヴァンキッシュランは、初仔です。
祖母ペンイーグルは、自身は未勝利でしたが、リリーオブザヴァレー以外の産駒でも、ムブタヒージがG2に勝ち、ドバイワールドCでも2着に入りました。
4代母ゲイアパレルは、産駒から2頭の重賞勝ち馬を出しました。
母系は、アメリカの中堅どころの、ビューティフルレディ牝系。最近は欧州にも進出していますが、重賞勝ち馬は多いものの、なかなかG1馬の出ない系統で、リリーオブザヴァレーは、近年のこの牝系の出身馬としては、最も活躍した馬の1頭に数えられるでしょう。
日本では、まだこれといった大物は出ておらず、ホクトヘリオスやスギノハヤカゼあたりが代表格でしょうか。

(1)リファールのクロス+ミスプロ
あまり指摘されませんが、リファール4×6のクロスがあります。当ブログのスタンスとしては、いくらディープ産駒といえども、単独のリファールのクロスは重苦しいという見方をとっており、ミスプロやアリダーなどのレイズアネイティヴ系の血のサポートがあるのが望ましいことは、これまでにも再三指摘してきました。ヴァンキッシュランにはミスプロの血があるので、成功パターンに当てはまっています。

(2)デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル
栗山求氏の指摘する成功パターンですが、ディープ×ガリレオの配合では、自動的に成立します。
また、(1)と組み合わせて、デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル×リファールのクロスという手の込んだパターンからも、ディープブリランテトーセンラー&スピルバーグ、パッションダンスなどの成功例があります。

(3)母父ガリレオ
あとで馬体を検討するさいに触れますが、体型的には、母父ガリレオの影響が強く出ているようです。
ディープ×母父ガリレオの配合は、これまでに4頭がデビューして、すべて中央で勝ち上がっており、重賞勝ちはヴァンキッシュランが初。日本での母父ガリレオの重賞勝ちも、ヴァンキッシュランが初めてとなります。
頭数は少ないものの、数字的には上々で、自動的に(2)のパターンが成り立つのは強味でしょう。
また、ディープとの絡みでは、ハイペリカム(ディープの5代母)とフォルリ(サドラーズウェルズの母母父)の組み合わせのクロスや、ガルフストリーム(サンデーの母母父父)≒オーロラ(ディープの母母母父母&ガリレオの3代母アナテフカの父父母)の相似クロスなどの、ハイインロー関連のクロスが発生するので、成長力にも期待できそうです。

(4)ディープ×ノーザンダンサー×ナスキロラトロ
ディープの母父として、フレンチデピュティ&クロフネ、カーリアン、シングスピールなど、ノーザンダンサー×ナスキロラトロの配合の種牡馬が好成績をあげていることは、以前から何度も触れているところです。
ヴァンキッシュランの場合、母母母父もノーザンダンサー×ナスキロラトロ配合のラストタイクーンなので、効果がさらに増幅される可能性も考えられます。
また、リリーオブザヴァレーには、ノーザンダンサー3×6・6・5という強めのクロスがあり、ディープ側もあわせると、ノーザンダンサーの血が5本も入っているということになります。硬さを補い、成長スピードを速める効果が考えられます。

(5)まとめ
ディープ×母父ガリレオの配合は、(2)や(4)のパターンが自動的に成立するので、基本的には好相性の掛け合わせと言ってよいでしょう。
たしかに、ガリレオの血は欧州色が強く、日本の高速馬場に向かないかもしれませんが、それでも父サドラーズウェルズよりはマシでしょうし、ディープの軽さとバランスが取れているとも考えられます。
また、洋芝や道悪への適性も高そうです。

3歳(ダービー)
http://www.keibado.com/keibabook/160530/photo11.html

引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
更新が遅れたおかげで、ダービー直前の画像を見ることができますが、ディープよりも母父ガリレオのほうが強く出た馬体です。これは2歳時から一貫した傾向ですが、この体型でも日本の高速馬場に対応できるのは、馬体には表れていないディープの血の力でしょう。

ガリレオ
http://www.sporthorse-data.com/horse/10005786/149/Horse_Galileo-big.jpg
ディープインパクト
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif

速報・イスパーン賞

エイシンヒカリが、仏G1・イスパーン賞(芝1800m)に出走し、10馬身差をつける衝撃の圧勝でした。
ソロウこそ出走しなかったものの、ニューベイ(仏ダービー)、ダリヤン(ガネー賞)、イラプト(パリ大賞典)、ヴァダモス(G2戦2勝)など、フランスの中距離戦線の有力馬が揃ったレースだけに、価値ある勝利と言ってよいでしょう。
注目すべきは、競りかけてくる馬がいたため、ハナを譲って2番手からの競馬となったことですが、逃げられなくても強いということを証明しました。
また、道悪馬場が心配されていましたが、まったく問題にしませんでしたね。
これまで、欧州のG1を制した日本馬は、日本で登録された馬ではあっても、日本で生産された馬ではありませんでした(すべてマル外)。今回のエイシンヒカリの勝利は、日本で生産&調教された馬として、初の欧州G1制覇ということになります。
詳細は、また後ほど。

https://www.youtube.com/watch?v=oMTjbQaDK7U
http://www.jra.go.jp/news/201605/052502.html
http://www.daily.co.jp/newsflash/horse/2016/05/24/0009116827.shtml

http://www.jbis.or.jp/horse/0001137511/pedigree/

皐月賞回顧

ご無沙汰しております。まさか、1ヶ月以上も更新できない事態に追い込まれようとは思ってもみませんでした。細かい雑用が、片付けても片付けても次々に湧いてくるような状況が続いていました。今度こそ一段落と思った時には、すでに桜花賞&皐月賞は終了し、今週末にはオークスということで、まるで浦島太郎のようです。
今シーズンのPOGは、思うように時間を割くことができず、ブログ更新も停滞気味ということで、まったくもって不本意なものとなってしまいました。これを教訓に、目前に迫った来シーズンこそは、捲土重来を図りたいと思います。
当ブログも、来シーズンこそは、きちんとした更新ペースを守っていきたいと、決意を新たにしているところです。

さて、更新をお休みしている間に、皐月賞でディープ産駒がワンツースリーの快挙を達成しました。初年度産駒以来、なかなか勝てなかった皐月賞は、ディープ産駒の鬼門と見られていた時期もありましたが、勝つ時というのは、えてしてこんなものなのでしょうね。

https://www.youtube.com/watch?v=FyVuwlFZEA4
http://db.netkeiba.com/race/201606030811/

レース展開のポイントとなったのは、前半5F58秒4のハイペースと、それにもかかわらず引っかかってしまったリオンディーズが2番手から直線に入る前に先頭に立ってしまったことの2点でしょう。
リオンディーズが早めに動いたため、エアスピネルやサトノダイヤモンドも動かざるをえず、後方待機勢に有利な展開となり、ディーマジェスティ&マカヒキの追い込み決着となりました。
戦前は、3強対決が注目されましたが、人気の盲点になったのが、勝ち馬のディーマジェスティです。実績のわりに人気にならなかった原因として、勝ち上がるまで3戦を要したことや、ホープフルSの出走取り消しなどが考えられますが、それよりも、3強対決が注目されすぎてしまったことのほうが大きいのかもしれません。
しかし、3強のレベルの高さに疑いの余地はなく、ディーマジェスティが3強に引けをとらない実力の持ち主だったというだけのことでしょう。勝ち時計の1分57秒8は、皐月賞のレースレコードであり、ラブリーデイのコースレコードにコンマ1秒と迫る途轍もないものでした。弥生賞もレースレコードでしたから、今年の3歳世代のレベルが高いことは、厳然たる事実なのです。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001167517/pedigree/

では、血統のほうから見ていきましょう。
母エルメスティアラは、未出走。デビューした産駒は全て勝ち上がっていますが、これまでは重賞勝ち馬は出ておらず、ニュージーランドT2着のセイクレットレーヴが出世頭でした。なお、ディーマジェスティの全姉ホクラニミサは、15戦2勝(現役)。
祖母シンコウエルメスは、未勝利。英愛ダービーなどG1戦4勝のジェネラスの半妹、英オークス&愛1000ギニーの変則牝馬2冠馬イマジンの全姉、日本で重賞2勝のオースミタイクーンの半妹です。繁殖牝馬としては、エリザベス女王杯3着のエルノヴァが代表産駒となります。
3代母ドフザダービーは、上記のように産駒たちが大成功を収めましたが、孫や曽孫の代からもG1馬が出ており、名繁殖牝馬といってよいでしょう。
4代母マーガレセンは、米64戦16勝。代表産駒は、仏G1・ガネー賞に勝ったトリリオン。トリリオンは繁殖牝馬としても優秀で、G1戦9勝のトリプティクを出しました。トリプティクの半姉トレヴィラは、凱旋門賞2連覇のトレヴの3代母にあたります。
母系は、トレヴ、ジェネラス、ギャラントフォックスなどの出た、名門マーガリート牝系。日本では、フリオーソ、オースミタイクーン、カミノタサハラなどが出ていますが、芝のG1勝ち馬は、ディーマジェスティが初(厳密には、ブリティッシュラックが安田記念に勝っていますが、海外からの遠征馬ということで)。

ディーマジェスティの配合では、まず、ディープ×母父ブライアンズタイムがどうなのかということを見ておく必要があります。母父ブライアンズタイムのディープ産駒は、これまで22頭がデビューし、15頭が勝ち上がり(うち2頭は地方)、重賞勝ち馬はディーマジェスティが初めてです。勝ち上がり率は微妙ですが、未勝利馬7頭中5頭は、デビュー戦の馬体重が410キロ未満ということなので、そうした小さな馬を除けば、悪くない勝ち上がり率とも言えます。
共同通信杯のときにも触れたのですが、ブライアンズタイム産駒の活躍馬のパターンは、だいたい3つに集約されます。母父母フラワーボウルの血の活用、自身の持つアドミラルドレイクローマン5×4の相似クロスの継続父母父ナシュアの血の活用の3パターンでしたね。
ディープ×ブライアンズタイムでは、最初の2つのパターンは自動的に成り立ちます。3つ目については、ディーマジェスティの場合、母母父サドラーズウェルズの母母母父ナンタラが、ナシュアと配合が似ており、相似クロスが発生しますから、これもクリアしています。

ディーマジェスティの配合を考える上でのもう1つのポイントは、サンデー系×ロベルト系の相性問題です。この点については、昨年、サトノラーゼンシルバーステートが立て続けに活躍した際、1つの仮説が閃きました。
サンデー×ロベルトの配合では、フリーフランス(サンデーの母母母母父)≒ジョンズタウン(ロベルトの母父母父)の相似クロスが発生しますが、このクロスを何らかの形で強化することが重要なのではないかということです。
サトノラーゼンやシルバーステートには、ニンジンスキーの血がありますから、フリーフランス≒ジョンズタウン≒フレイミングトップ(ニジンスキーの3代母)の相似クロスが成り立ちます。この相似クロスは、エピファネイアユールシンギングのケースの裏返しとみなすことも可能でしょう。
ディーマジェスティの場合、ニジンスキーの血はありませんが、サドラーズウェルズの血があるので、ラフランス(フリーフランス&ジョンズタウンの母)≒フレアズ(スペシャルの母父母父)の相似クロスとなります。なお、フレアズは、上述のフレイミングトップの父オマハの全弟です。
ラフランス≒フレアズのクロスは、一見、フリーフランス≒ジョンズタウン≒フレイミングトップのクロスよりもパワーダウンしているように思えますが、それはそれで別の面白さがあります。

エーデルワイス
http://www.jbis.or.jp/horse/0000393160/pedigree/

サンデーの3代母エーデルワイスには、さまざまなクロスがあるのですが、ラランブラ≒ラフランス4×3の8分の7同血クロスは、血量の点でも8分の7同血という点でも、とくに注目すべきクロスでしょう。
当然、このクロスは、フレアズにも関係してくるので、ラランブラ≒ラフランス(2本)≒フレアズということになるわけです。
サンデー×ロベルトの配合の活躍馬には、フリーフランス≒ジョンズタウンの相似クロス(または、ラランブラ≒ラフランスのクロス)を強化しているケースが数多く見られ、それは、そのままディープの場合にも当てはまるようです。

http://www.keibado.com/keibabook/160418/photo11.html

引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
2歳時からまとまりのよい好馬体でしたが、ここにきて適度に胴伸びも出ており、成長著しいと言えそうです。非常に見栄えのする馬体となりましたが、まさかここまで成長するとは予測できませんでした。
馬体の状態のよさだけならば、今回は、マカヒキやサトノダイヤモンドをも上回っていたかもしれません。

更新休止中に、はやくも来週はダービーということになりました。
皐月賞組の4強以外では、青葉賞のヴァンキッシュランや京都新聞杯のスマートオーディンの勝ちっぷりが良かったと思いますが、これまでの実績を考えると、やはり4強が抜けているように思います。
ただし、2400mへの適性という点では、ヴァンキッシュランが一番手と思われるので、4強を崩す馬がいるとすれば、この馬でしょうか。
なお、ディーマジェスティ、マカヒキ、サトノダイヤモンド、ヴァンキッシュラン、マウントロブソンは、凱旋門賞の予備登録を行ないましたが、ダービー前の3歳馬が5頭も登録するというのは、滅多にないことでしょうし、今年の3歳牡馬クラシックのレベルの高さを象徴しているとも言えそうです。ぜひ、予備登録馬の中から勝ち馬が出て、秋には凱旋門賞に挑戦してほしいと思います。
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