いよいよ明日はダービーですが、出走するディープ産駒のうち、ヴァンキッシュランだけは、まだ取りあげていませんでした。
というわけで、ヴァンキッシュランの勝った青葉賞を振り返っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Bw-51eyoYCw
http://db.netkeiba.com/race/201605020311/
なかなかの好メンバーが揃いましたが、道中5番手からラスト1Fで先頭に立ったヴァンキッシュランが、後続の追撃も凌いで、初重賞制覇とあわせてダービーへの出走権を獲得しました。
ディープ産駒としては、末脚の切れるタイプではありませんが、そのかわりに先行して押し切る欧州的な底力が魅力ですね。
2400mのレースを3度も経験しているというのは珍しく、本番でのアドヴァンテージになりそうです。
有力馬に差し馬が多いので、今回のように早めに仕掛ける競馬が嵌まるような展開になれば、一発もありうるでしょう。
http://www.jbis.or.jp/horse/0001175168/pedigree/
それでは、血統のほうから見ていきます。
母リリーオブザバレーは、仏G1・オペラ賞(芝2000m)の勝ち馬。ヴァンキッシュランは、初仔です。
祖母ペンイーグルは、自身は未勝利でしたが、リリーオブザヴァレー以外の産駒でも、ムブタヒージがG2に勝ち、ドバイワールドCでも2着に入りました。
4代母ゲイアパレルは、産駒から2頭の重賞勝ち馬を出しました。
母系は、アメリカの中堅どころの、ビューティフルレディ牝系。最近は欧州にも進出していますが、重賞勝ち馬は多いものの、なかなかG1馬の出ない系統で、リリーオブザヴァレーは、近年のこの牝系の出身馬としては、最も活躍した馬の1頭に数えられるでしょう。
日本では、まだこれといった大物は出ておらず、ホクトヘリオスやスギノハヤカゼあたりが代表格でしょうか。
(1)リファールのクロス+ミスプロ
あまり指摘されませんが、リファール4×6のクロスがあります。当ブログのスタンスとしては、いくらディープ産駒といえども、単独のリファールのクロスは重苦しいという見方をとっており、ミスプロやアリダーなどのレイズアネイティヴ系の血のサポートがあるのが望ましいことは、これまでにも再三指摘してきました。ヴァンキッシュランにはミスプロの血があるので、成功パターンに当てはまっています。
(2)デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル
栗山求氏の指摘する成功パターンですが、ディープ×ガリレオの配合では、自動的に成立します。
また、(1)と組み合わせて、デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル×リファールのクロスという手の込んだパターンからも、ディープブリランテ、トーセンラー&スピルバーグ、パッションダンスなどの成功例があります。
(3)母父ガリレオ
あとで馬体を検討するさいに触れますが、体型的には、母父ガリレオの影響が強く出ているようです。
ディープ×母父ガリレオの配合は、これまでに4頭がデビューして、すべて中央で勝ち上がっており、重賞勝ちはヴァンキッシュランが初。日本での母父ガリレオの重賞勝ちも、ヴァンキッシュランが初めてとなります。
頭数は少ないものの、数字的には上々で、自動的に(2)のパターンが成り立つのは強味でしょう。
また、ディープとの絡みでは、ハイペリカム(ディープの5代母)とフォルリ(サドラーズウェルズの母母父)の組み合わせのクロスや、ガルフストリーム(サンデーの母母父父)≒オーロラ(ディープの母母母父母&ガリレオの3代母アナテフカの父父母)の相似クロスなどの、ハイインロー関連のクロスが発生するので、成長力にも期待できそうです。
(4)ディープ×ノーザンダンサー×ナスキロラトロ
ディープの母父として、フレンチデピュティ&クロフネ、カーリアン、シングスピールなど、ノーザンダンサー×ナスキロラトロの配合の種牡馬が好成績をあげていることは、以前から何度も触れているところです。
ヴァンキッシュランの場合、母母母父もノーザンダンサー×ナスキロラトロ配合のラストタイクーンなので、効果がさらに増幅される可能性も考えられます。
また、リリーオブザヴァレーには、ノーザンダンサー3×6・6・5という強めのクロスがあり、ディープ側もあわせると、ノーザンダンサーの血が5本も入っているということになります。硬さを補い、成長スピードを速める効果が考えられます。
(5)まとめ
ディープ×母父ガリレオの配合は、(2)や(4)のパターンが自動的に成立するので、基本的には好相性の掛け合わせと言ってよいでしょう。
たしかに、ガリレオの血は欧州色が強く、日本の高速馬場に向かないかもしれませんが、それでも父サドラーズウェルズよりはマシでしょうし、ディープの軽さとバランスが取れているとも考えられます。
また、洋芝や道悪への適性も高そうです。
3歳(ダービー)
http://www.keibado.com/keibabook/160530/photo11.html
引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
更新が遅れたおかげで、ダービー直前の画像を見ることができますが、ディープよりも母父ガリレオのほうが強く出た馬体です。これは2歳時から一貫した傾向ですが、この体型でも日本の高速馬場に対応できるのは、馬体には表れていないディープの血の力でしょう。
ガリレオ
http://www.sporthorse-data.com/horse/10005786/149/Horse_Galileo-big.jpg
ディープインパクト
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif
というわけで、ヴァンキッシュランの勝った青葉賞を振り返っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Bw-51eyoYCw
http://db.netkeiba.com/race/201605020311/
なかなかの好メンバーが揃いましたが、道中5番手からラスト1Fで先頭に立ったヴァンキッシュランが、後続の追撃も凌いで、初重賞制覇とあわせてダービーへの出走権を獲得しました。
ディープ産駒としては、末脚の切れるタイプではありませんが、そのかわりに先行して押し切る欧州的な底力が魅力ですね。
2400mのレースを3度も経験しているというのは珍しく、本番でのアドヴァンテージになりそうです。
有力馬に差し馬が多いので、今回のように早めに仕掛ける競馬が嵌まるような展開になれば、一発もありうるでしょう。
http://www.jbis.or.jp/horse/0001175168/pedigree/
それでは、血統のほうから見ていきます。
母リリーオブザバレーは、仏G1・オペラ賞(芝2000m)の勝ち馬。ヴァンキッシュランは、初仔です。
祖母ペンイーグルは、自身は未勝利でしたが、リリーオブザヴァレー以外の産駒でも、ムブタヒージがG2に勝ち、ドバイワールドCでも2着に入りました。
4代母ゲイアパレルは、産駒から2頭の重賞勝ち馬を出しました。
母系は、アメリカの中堅どころの、ビューティフルレディ牝系。最近は欧州にも進出していますが、重賞勝ち馬は多いものの、なかなかG1馬の出ない系統で、リリーオブザヴァレーは、近年のこの牝系の出身馬としては、最も活躍した馬の1頭に数えられるでしょう。
日本では、まだこれといった大物は出ておらず、ホクトヘリオスやスギノハヤカゼあたりが代表格でしょうか。
(1)リファールのクロス+ミスプロ
あまり指摘されませんが、リファール4×6のクロスがあります。当ブログのスタンスとしては、いくらディープ産駒といえども、単独のリファールのクロスは重苦しいという見方をとっており、ミスプロやアリダーなどのレイズアネイティヴ系の血のサポートがあるのが望ましいことは、これまでにも再三指摘してきました。ヴァンキッシュランにはミスプロの血があるので、成功パターンに当てはまっています。
(2)デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル
栗山求氏の指摘する成功パターンですが、ディープ×ガリレオの配合では、自動的に成立します。
また、(1)と組み合わせて、デイープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル×リファールのクロスという手の込んだパターンからも、ディープブリランテ、トーセンラー&スピルバーグ、パッションダンスなどの成功例があります。
(3)母父ガリレオ
あとで馬体を検討するさいに触れますが、体型的には、母父ガリレオの影響が強く出ているようです。
ディープ×母父ガリレオの配合は、これまでに4頭がデビューして、すべて中央で勝ち上がっており、重賞勝ちはヴァンキッシュランが初。日本での母父ガリレオの重賞勝ちも、ヴァンキッシュランが初めてとなります。
頭数は少ないものの、数字的には上々で、自動的に(2)のパターンが成り立つのは強味でしょう。
また、ディープとの絡みでは、ハイペリカム(ディープの5代母)とフォルリ(サドラーズウェルズの母母父)の組み合わせのクロスや、ガルフストリーム(サンデーの母母父父)≒オーロラ(ディープの母母母父母&ガリレオの3代母アナテフカの父父母)の相似クロスなどの、ハイインロー関連のクロスが発生するので、成長力にも期待できそうです。
(4)ディープ×ノーザンダンサー×ナスキロラトロ
ディープの母父として、フレンチデピュティ&クロフネ、カーリアン、シングスピールなど、ノーザンダンサー×ナスキロラトロの配合の種牡馬が好成績をあげていることは、以前から何度も触れているところです。
ヴァンキッシュランの場合、母母母父もノーザンダンサー×ナスキロラトロ配合のラストタイクーンなので、効果がさらに増幅される可能性も考えられます。
また、リリーオブザヴァレーには、ノーザンダンサー3×6・6・5という強めのクロスがあり、ディープ側もあわせると、ノーザンダンサーの血が5本も入っているということになります。硬さを補い、成長スピードを速める効果が考えられます。
(5)まとめ
ディープ×母父ガリレオの配合は、(2)や(4)のパターンが自動的に成立するので、基本的には好相性の掛け合わせと言ってよいでしょう。
たしかに、ガリレオの血は欧州色が強く、日本の高速馬場に向かないかもしれませんが、それでも父サドラーズウェルズよりはマシでしょうし、ディープの軽さとバランスが取れているとも考えられます。
また、洋芝や道悪への適性も高そうです。
3歳(ダービー)
http://www.keibado.com/keibabook/160530/photo11.html
引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
更新が遅れたおかげで、ダービー直前の画像を見ることができますが、ディープよりも母父ガリレオのほうが強く出た馬体です。これは2歳時から一貫した傾向ですが、この体型でも日本の高速馬場に対応できるのは、馬体には表れていないディープの血の力でしょう。
ガリレオ
http://www.sporthorse-data.com/horse/10005786/149/Horse_Galileo-big.jpg
ディープインパクト
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif