DP-Blog

ディープインパクト産駒を研究してPOGでの勝利を目指すシロウト競馬ファンの奮闘記

2018年08月

未勝利戦ピックアップ~コントラチェック

今回は、コントラチェックの未勝利戦を取りあげます。

https://www.youtube.com/watch?v=0HVX9bfaSxo
http://db.netkeiba.com/race/201801010101/

デビュー戦は、スローな展開の中、好位でじっくり進めたものの、直線では思ったほど伸びず、断然の1番人気を裏切る3着に終わりました。
これを受けて、2戦目の今回は、スローペースに付き合わないという意思表示の逃げを打ち、後続を寄せつけず、持ったまま7馬身差をつける圧勝でした。ルメール騎手は、前走の内容から、抑えて切れるタイプではなく、身体能力で圧倒するタイプと判断したようですね。
デビュー戦こそ、ちょっと心配になる内容でしたが、今回の圧勝劇は、この馬の素質の確かさを証明したものだと思います。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001217731/pedigree/

それでは、血統の方から見ていきましょう。
母リッチダンサーは、英6戦未勝利。繁殖牝馬としては、バウンスシャッセ&ムーンクエイクの2頭の重賞勝ち馬を出して成功しています。
祖母フェアリーフライトは、競走馬としては1勝どまりでしたが、繁殖に上がって重賞勝ち馬を出しました。
4代母ナイアードクイーンは、G1馬キングパーシャンを出しています。
母系は、欧州の中堅どころの、ガーガニー牝系。重賞勝ち馬は出るものの、なかなかG1馬の出にくい系統で、大物と呼べるのは、シロッコくらいでしょうか。日本では、まだG1馬は出ておらず、バウンスシャッセ&ムーンクエイクの姉弟が、出世頭のようですね。

(1)母父ホーリング
母父ホーリングは、現役時代はG1戦5勝の大物で、種牡馬としても期待されましたが、思ったほどには成功せず、といっても失敗というほどでもなく、中途半端な成績に終わりました。
父系は、シャーペンアップ~ネイティヴダンサーの系統です。ネイティヴダンサーといえば、米年度代表馬に2度も輝き、レイズアネイティヴの父&ミスタープロスペクターの祖父として父系を拡大していきましたが、珍しく欧州で系統を伸ばしたのが、シャーペンアップ系になります。
いかにもダート血統のネイティヴダンサーが、どのように欧州で勢力を拡大したかということですが、ハイぺリオンの血と結びつくことで、ダート専用血統から脱却することに成功しました。

シャーペンアップ
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336086/pedigree/
クリス(=ダイイシス)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336087/pedigree/

シャーペンアップの配合の核は、ハイぺリオン5×3であることは一目瞭然です。シャーペンアップの産駒では、クリス&ダイイシス(ホーリングの父)の兄弟が種牡馬として成功し、父系としても一時はかなりの勢いがあったのですが、近年はやや失速気味のようです。

ネオユニヴァース
http://www.jbis.or.jp/horse/0000701577/pedigree/
ロジユニヴァース
http://www.jbis.or.jp/horse/0000996482/pedigree/
アンライバルド
http://www.jbis.or.jp/horse/0000993502/pedigree/

さて、サンデー系×シャーペンアップ系の成功例というと、何といっても、ネオユニヴァースでしょう。ネオユニヴァースの代表産駒ということでは、ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、アンライバルド、ネオリアリズムなどがあげられますが、コントラチェックとの関係で注目されるのは、ロジユニヴァースとアンライバルドです。コントラチェックにはフェアリーキングの血がありますが、ロジユニヴァースには4分の3同血のヌレイエフ、アンライバルドには全兄サドラーズウェルズの血があります。つまり、コントラチェックと、ロジユニヴァース&アンライバルドとは、サンデー、ダイイシス=クリス、フェアリーキング=サドラーズウェルズ≒ヌレイエフが共通していることになり、配合的な枠組みは、非常に近いと言ってもよいでしょう。

(2)ヘイロー≒レッドゴッド
母リッチダンサーには、レッドゴッドの血があるので、コントラチェックとしては、ヘイローレッドゴッド3×5の相似クロスが発生します。機動力に効果が期待できるでしょう。
サンデー系との配合では、自動的にこのクロスが生じますが、ムーンクエイクの父アドマイムーンのように、父系はサンデー系でなくても、サンデーの血を持つ種牡馬の場合も、同様にクロスが成り立ちます。ちなみに、ムーンクエイクの場合、クリス≒ダイイシス4×3の全兄弟クロスも発生しており、非常に素晴らしい配合だと思います。

(3)ノーザンダンサーのクロスを持つ母馬
ディープ、マンハッタンカフェ、ハーツクライなど、成長がゆっくりめの種牡馬の産駒を、なんとか春のクラシックに間に合わせようとする場合、ノーザンダンサーのクロスを持つ母馬をお相手として起用するのは、有効とされる手法です。
リッチダンサーは、ノーザンダンサー5・5×3のクロスがあるので、条件を満たしていますね。

(4)バークレアとの組み合わせのクロス
このブログでもお馴じみとなってきましたが、ディープの祖母バークレアの血を活用して組み合わせのクロスを生じさせるのは、成長力や、大レースでの底力などに有効です。
コントラチェックの場合、バークレアダイイシスとが組み合わせのクロスとなっています(クレペロ、ハイぺリオン、サンインロー、アロペ(ディープの8代母)が共通)。

(5)まとめ
コントラチェックは、ハイインローの血が豊富な反面、ナスキロ的な要素は薄く、ヘイロー≒レッドゴッドのようなクロスもあるので、ディープの牝馬産駒らしい末脚の切れといった要素は、あまり期待できないでしょう。そのかわり、豊富なハイインローの血を活用して、早めに動いて底力で捻じ伏せるようなレースが得意パターンとなりそうです。馬格もそこそこありますし、クラシック路線に乗っていくことは、じゅうぶん期待してよいでしょう。
半姉バウンスシャッセは、G1には手が届きませんでしたが、父がディープに変わったことで、配合的には大きなレースも狙える本格的なものになったと思います。

https://umatokuimg.hochi.co.jp/horseimages/2016/2016104880/2016104880_201804111713388.jpg

引き続き、馬体の方も見ていきましょう。
体型的には、父ディープにはあまり似ておらず、どちらかといえば、姉バウンスシャッセのほうに近いと思います。
馬体重は、もう少し増えてきそうですし、大物感充分でしょう。
今年のデイープの2歳産駒の馬体評価リストでは、牝馬の9位に取りあげました。

バウンスシャッセ(3歳、皐月賞)
http://www.keibado.ne.jp/keibabook/140421/photo05.html

今シーズンの牡馬産駒の新馬勝ち第1号

間隔があいてしまいましたが、ようやく更新時間が取れそうなので、追いついていこうと思います。
まず、今シーズンのディープの牡馬産駒の新馬勝ち第1号、ボスジラを取りあげましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=ZBTu4nXugrA
http://db.netkeiba.com/race/201803020705/

1番人気に推されたボスジラですが、道中は好位の3番手につけ、直線も早めに抜け出し、危な気のない完勝でした。デビュー戦からビシビシ仕上げたりはしない国枝厩舎の所属馬ですから、余裕残しの理想的な内容だったと思います。なお、次走は、芙蓉Sの予定。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001215220/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきましょう。
母ミスパスカリは、クロフネの半妹で、22戦3勝。重賞でも、マーメイドS3着や愛知杯4着などの実績があります。産駒は、ボスジラを含めて7頭がデビューしましたが、勝ち星を挙げているのディープ産駒の5頭だけです。とくに、マウントロブソンは、スプリングSに勝ち、ポポカテペトルは、菊花賞で3着と善戦しました。ボスジラもそうですが、兄弟たちはみんな大柄で、ディープよりも、伯父のクロフネのほうに似ているようです。
祖母ブルーアヴェニューは、米20戦5勝。クロフネの母なのは言うまでもないのですが、その他にも、クロフネの全妹ベラベルッチが、アメリカで重賞を2勝しています。
3代母エリザブルーは、アメリカでG1を2勝した、ブロートツウマインドを出しました。
母系は、オセアニアの土着系統である、レディロイス牝系。5代母カターニアが、アメリカに輸出されて、アメリカでも勢力を拡大させました。

(1)母ミスパスカリ
ディープ×クロフネの相性のよさは有名ですが、相性のベースになっているのは、両者の父どうしの関係性、つまり、サンデー×フレンチデピュティの相性のよさにあります。
しかし、ミスパスカリには、フレンチデピュティの血はありません。にもかかわらず、マウントロブソンやポポカテペトルなどの活躍馬が出ているというのは、どういうことなのでしょうか。

ミスパスカリ
http://www.jbis.or.jp/horse/0000728495/pedigree/

ミスパスカリの配合は、かなり雑然としていますが、骨格としては、ミスプロ×アイスカペイド×ナスキロラトロと整理できるでしょう。アイスカペイドは、ノーザンダンサーと4分の3同血です。
フレンチデピュティは、典型的な、ノーザンダンサー×ナスキロラトロ配合なので、クロフネも同じように、ノーザンダンサー×ナスキロラトロ配合と考えられます。
ミスパスカリは、ノーザンダンサーの代わりにアイスカペイドが入り、さらにミスプロという影響力の大きい血もプラスされていますが、広い意味で、クロフネと同傾向の配合と見なすことができそうです。
ただし、ミスパスカリとクロフネの血統表を比較対照してみると、やはり、ミスパスカリの配合は取っ散らかっている印象は拭えず、成功する確率という点では、やや落ちると言わざるをえません。マウントロブソンやポポカテペトルが活躍しているのに対し、ハワイアンソルトやシエラネバダがパッとしないというのは、ミスパスカリの配合の乱雑さも原因の1つなのでしょう。

(2)ディープ×ロベルト×ミスプロ
ポポカテペトルの菊花賞3着の実績は、ちょっと配合的には意外な気もします。やはり、2000m前後のパワータイプの中距離馬という印象の配合なので、3000m級のレースで好走する要素はどこにあるのかという疑問が浮かびます。
その疑問のヒントとしては、クロフネ産駒は意外に障害レースに強いということがあげられます。とくに、アップトゥデイトは、オジュウチョウサンが登場しなければ、歴史的な障害の王者として名を残したことでしょう。しかし、父フレンチデピュティの産駒には、障害の重賞に勝った馬はいません。
おそらく、クロフネやミスパスカリの母系にあるロベルトの血が、スタミナを供給している可能性が高いでしょう。ちなみに、オジュウチョウサンも、母父シンボリクリスエスは、ロベルト系の種牡馬です。
サンデー系とロベルト系の相性問題は、一時期、集中的に取り上げましたが、両系統の掛け合わせで生じる、フリーフランスジョンズタウンの相似クロスを、何らかの形で補強することが肝要だというのが、当ブログの結論でした。ミスパスカリは、ミスプロの血があるので、ジョンズタウンの血がもう1本追加されることになり、相性問題は発生しないということになります。
ミスパスカリの持つロベルトの血が活用できているので、血統表の見た目よりも長めの距離への適応性は高そうだと考えてよいでしょう。

(3)まとめ
ディープ×クロフネは、好相性ではあるのですが、ディープ×フレンチデピュティのように、G1まで突き抜けるような産駒は、まだ出ていません。
いいところまで出世するのですが、なかなかG1馬が出ないというのは、クロフネ&ミスパスカリの母ブルーアヴェニューの配合が雑然としている点に原因がありそうです。なかなか、ピタッと焦点を合わせるのが難しいのでしょう。ただ、それは確率の問題であり、いつになるかは分かりませんが、G1馬が出てもおかしくはないと思いますし、実際、シャイニングレイやステファノスなんかは、G1に手が届いても不思議ではない能力の持ち主でした(ステファノスは、まだ現役ですが)。
ボスジラも、デビュー戦の内容からすれば、クラシック路線に乗ってきてもおかしくないのですが、どうしても、本番よりトライアルといった雰囲気の配合なので、そこをどう乗り越えられるかでしょう。

新馬戦のパドック動画(0分51秒~)
https://www.youtube.com/watch?v=WuVVdQVXPg4

引き続き、馬体の方も見ていきたいのですが、POG本には画像の掲載はありませんでした。
リンクを貼ったのは、デビュー戦のパドック動画ですが、これを見る限りでは、マウントロブソンやポポカテペトルに似た体型だと思います。ただ、詳細については、もっと見やすい画像が入手できてからということにさせてください。

マウントロブソン(3歳、ダービー)
http://www.keibado.com/keibabook/160530/photo02.html
ポポカテペトル(3歳、菊花賞)
http://www.keibado.com/keibabook/171023/photo12.html
クロフネ(3歳、ダービー)
http://www.keibado.com/keibabook/010528/images/pp01.jpg

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