https://www.youtube.com/watch?v=0HVX9bfaSxo
http://db.netkeiba.com/race/201801010101/
デビュー戦は、スローな展開の中、好位でじっくり進めたものの、直線では思ったほど伸びず、断然の1番人気を裏切る3着に終わりました。
これを受けて、2戦目の今回は、スローペースに付き合わないという意思表示の逃げを打ち、後続を寄せつけず、持ったまま7馬身差をつける圧勝でした。ルメール騎手は、前走の内容から、抑えて切れるタイプではなく、身体能力で圧倒するタイプと判断したようですね。
デビュー戦こそ、ちょっと心配になる内容でしたが、今回の圧勝劇は、この馬の素質の確かさを証明したものだと思います。
http://www.jbis.or.jp/horse/0001217731/pedigree/
それでは、血統の方から見ていきましょう。
母リッチダンサーは、英6戦未勝利。繁殖牝馬としては、バウンスシャッセ&ムーンクエイクの2頭の重賞勝ち馬を出して成功しています。
祖母フェアリーフライトは、競走馬としては1勝どまりでしたが、繁殖に上がって重賞勝ち馬を出しました。
4代母ナイアードクイーンは、G1馬キングパーシャンを出しています。
母系は、欧州の中堅どころの、ガーガニー牝系。重賞勝ち馬は出るものの、なかなかG1馬の出にくい系統で、大物と呼べるのは、シロッコくらいでしょうか。日本では、まだG1馬は出ておらず、バウンスシャッセ&ムーンクエイクの姉弟が、出世頭のようですね。
(1)母父ホーリング
母父ホーリングは、現役時代はG1戦5勝の大物で、種牡馬としても期待されましたが、思ったほどには成功せず、といっても失敗というほどでもなく、中途半端な成績に終わりました。
父系は、シャーペンアップ~ネイティヴダンサーの系統です。ネイティヴダンサーといえば、米年度代表馬に2度も輝き、レイズアネイティヴの父&ミスタープロスペクターの祖父として父系を拡大していきましたが、珍しく欧州で系統を伸ばしたのが、シャーペンアップ系になります。
いかにもダート血統のネイティヴダンサーが、どのように欧州で勢力を拡大したかということですが、ハイぺリオンの血と結びつくことで、ダート専用血統から脱却することに成功しました。
シャーペンアップ
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336086/pedigree/
クリス(=ダイイシス)
http://www.jbis.or.jp/horse/0000336087/pedigree/
シャーペンアップの配合の核は、ハイぺリオン5×3であることは一目瞭然です。シャーペンアップの産駒では、クリス&ダイイシス(ホーリングの父)の兄弟が種牡馬として成功し、父系としても一時はかなりの勢いがあったのですが、近年はやや失速気味のようです。
ネオユニヴァース
http://www.jbis.or.jp/horse/0000701577/pedigree/
ロジユニヴァース
http://www.jbis.or.jp/horse/0000996482/pedigree/
アンライバルド
http://www.jbis.or.jp/horse/0000993502/pedigree/
さて、サンデー系×シャーペンアップ系の成功例というと、何といっても、ネオユニヴァースでしょう。ネオユニヴァースの代表産駒ということでは、ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、アンライバルド、ネオリアリズムなどがあげられますが、コントラチェックとの関係で注目されるのは、ロジユニヴァースとアンライバルドです。コントラチェックにはフェアリーキングの血がありますが、ロジユニヴァースには4分の3同血のヌレイエフ、アンライバルドには全兄サドラーズウェルズの血があります。つまり、コントラチェックと、ロジユニヴァース&アンライバルドとは、サンデー、ダイイシス=クリス、フェアリーキング=サドラーズウェルズ≒ヌレイエフが共通していることになり、配合的な枠組みは、非常に近いと言ってもよいでしょう。
(2)ヘイロー≒レッドゴッド
母リッチダンサーには、レッドゴッドの血があるので、コントラチェックとしては、ヘイロー≒レッドゴッド3×5の相似クロスが発生します。機動力に効果が期待できるでしょう。
サンデー系との配合では、自動的にこのクロスが生じますが、ムーンクエイクの父アドマイムーンのように、父系はサンデー系でなくても、サンデーの血を持つ種牡馬の場合も、同様にクロスが成り立ちます。ちなみに、ムーンクエイクの場合、クリス≒ダイイシス4×3の全兄弟クロスも発生しており、非常に素晴らしい配合だと思います。
(3)ノーザンダンサーのクロスを持つ母馬
ディープ、マンハッタンカフェ、ハーツクライなど、成長がゆっくりめの種牡馬の産駒を、なんとか春のクラシックに間に合わせようとする場合、ノーザンダンサーのクロスを持つ母馬をお相手として起用するのは、有効とされる手法です。
リッチダンサーは、ノーザンダンサー5・5×3のクロスがあるので、条件を満たしていますね。
(4)バークレアとの組み合わせのクロス
このブログでもお馴じみとなってきましたが、ディープの祖母バークレアの血を活用して組み合わせのクロスを生じさせるのは、成長力や、大レースでの底力などに有効です。
コントラチェックの場合、バークレアとダイイシスとが組み合わせのクロスとなっています(クレペロ、ハイぺリオン、サンインロー、アロペ(ディープの8代母)が共通)。
(5)まとめ
コントラチェックは、ハイインローの血が豊富な反面、ナスキロ的な要素は薄く、ヘイロー≒レッドゴッドのようなクロスもあるので、ディープの牝馬産駒らしい末脚の切れといった要素は、あまり期待できないでしょう。そのかわり、豊富なハイインローの血を活用して、早めに動いて底力で捻じ伏せるようなレースが得意パターンとなりそうです。馬格もそこそこありますし、クラシック路線に乗っていくことは、じゅうぶん期待してよいでしょう。
半姉バウンスシャッセは、G1には手が届きませんでしたが、父がディープに変わったことで、配合的には大きなレースも狙える本格的なものになったと思います。
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引き続き、馬体の方も見ていきましょう。
体型的には、父ディープにはあまり似ておらず、どちらかといえば、姉バウンスシャッセのほうに近いと思います。
馬体重は、もう少し増えてきそうですし、大物感充分でしょう。
今年のデイープの2歳産駒の馬体評価リストでは、牝馬の9位に取りあげました。
バウンスシャッセ(3歳、皐月賞)
http://www.keibado.ne.jp/keibabook/140421/photo05.html