本日、スプリングSに出走を予定している、ファルコニアを取りあげます。

あすなろ賞
https://www.youtube.com/watch?v=WuXqWtgg3xw
https://db.netkeiba.com/race/202010010910/

未勝利戦
https://www.youtube.com/watch?v=uksaYWkXisQ
https://db.netkeiba.com/race/202008010505/

デビューから2戦連続で1番人気を裏切る2着ということで、やや残念なスタートとなりましたが、その後は2連勝を飾り、素質のあるところを見せています。
とくに、あすなろ賞での、小倉の小回りコースで出遅れ→大外ブン回しながら、きっちり差し切ったレース内容は、評価してもよいでしょう。
スプリングSは、一気に相手が強化されますが、前日のオッズでは、3番人気に推されているようです。G1で2着の実績のあるヴェルトライゼンデは、さすがにここでは力が上だと思いますが、それ以外の相手となら、それなりに戦えると思います。

https://www.jbis.or.jp/horse/0001237203/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきましょう。
母カンビーナは、愛米22戦6勝。芝のG1・アメリカンオークスに勝ちました。産駒は、持ち込みの初仔(未勝利)以外は、5年連続でディープ産駒が誕生しました。2番仔のカーロバンビーナ(21戦2勝、現役)は、400キロ前後の小柄な馬で、馬格の無さで苦戦しましたが、1歳上の3番仔のトーセンカンビーナ(12戦4勝、現役)は、出遅れ癖で出世が遅れたものの、今年になってオープン入りを果たし、本日、阪神大賞典に出走予定です。
4代母タフレディは、英9戦1勝。産駒から重賞勝ち馬が出ました。
母系は、マイナーな、ファイアフィーンド牝系。あまりG1に縁のない系統で、オセアニアでG1を勝ちまくった、ラフハビットあたりが一番の大物でしょうか。日本には、ほとんど入ってきていない系統で、これといった活躍馬も出ていないません。

(1)ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャル
ディープ×ミスプロ×ノーザンダンサー×スペシャルの配合パターンは、栗山求氏が指摘されたもので、数多くの成功例があります。具体的には、サクソンウォリアー、トーセンラー&スピルバーグ、ディープブリランテ、ワグネリアン、ヴィルシーナ&ヴィブロス、マリアライト、ミッキークイーン、ジュールポレール、ショウナンアデラ、デニムアンドルビー、アンビシャス、ヴァンキッシュランなどです。

(2)バークレアとの組み合わせのクロス
ディープの祖母バークレアの血を活用した組み合わせのクロスは、望田潤氏が重視されているものですが、トーセンカンビーナの場合、母母母父グレンスタルの祖母フィッシュバーが該当します(ドナテロ、ハイぺリオン、フェオラ~サンインローが共通)。成長力や大レースでの底力に効果が期待できるでしょう。

(3)ウインドインハーヘアとグレンスタル
母カンビーナには、サーアイヴァーの血があるので、ファルコニアとしては、ディープの持つ、ヘイロー≒サーアイヴァーの相似クロスを継続しています(3・5×6)。
(2)も併せて考えると、ディープの祖母ウインドインハーヘアと、ファルコニアの母母母父グレンスタルとは、組み合わせのクロスをなしていると考えることもできそうですね。

ウインドインハーヘア(ディープの母)
https://www.jbis.or.jp/horse/0000430846/pedigree/
グレンスタル(トーセンカンビーナの母母母父)
https://www.jbis.or.jp/horse/0000337485/pedigree/

(4)まとめ
ディープの配合2つの核である、ヘイロー≒サーアイヴァーの相似クロスと、祖母バークレアの豊富なハイインローの血とを、ともに継続ししており、なかなか大物感のある配合です。
配合的には、とくにケチをつけるところはありませんが、しいて言うなら、やや母系が弱いかなというところでしょうか。

3歳
https://www-f.keibalab.jp/img/upload/focus/202003/200314_falconia.jpg
2歳
https://umatokuimg.hochi.co.jp/horseimages/2017/2017104719/2017104719_201903191436364.jpg

引き続き、馬体のほうも見ていきます。
非常に見栄えのする馬体で、昨年のディープの2歳産駒の馬体評価リストでは、牡馬の4位に取りあげましたが、3歳になってからの馬体を見ると、2歳時からはずいぶん変わってきているのが見てとれます。
具体的には、2歳時は、馬体の前後がほぼフラットだったのに対し、3歳になって、腰高の傾向がうかがえるようになりました。しかし、ふつうは逆で、2歳時は腰高でも、3歳になるとキ甲が抜けてきて、前後のバランスが揃ってくるものです。
考えられることとしては、成長がゆっくりで、まだ腰高が解消される過程に入っていないということでしょうか。全兄トーセンカンビーナも、ようやく古馬になって本格化の兆しが見えてきましたが、やや晩成傾向があるのかもしれません。この馬も、本当に良くなるのは、古馬になってからという可能性が高そうですが、現状でどこまで重賞で戦えるのか、注目されるところですね。

トーセンカンビーナ(2歳)
https://jra-van.jp/fun/pog2018y/imgs/07-02.jpg