ダービーは、コントレイルの無敗での2冠達成で幕を閉じました。いよいよ、POGも新シーズンがスタートします。
昨シーズンは、ディープ急逝のショックが尾を引き、更新が大幅に滞ってしまい、申し訳ありませんでした。
ディープ産駒も、残り3世代(実質的には2世代)となりましたし、当ブログもしっかり完走を目指して頑張っていきたいと思います。
というわけで、まずは、昨シーズンの反省から。

牡馬(2019)
(1)アルジャンナ、(2)モーソンピーク、(3)ラインベック、(4)ファルコニア、(5)セントオブゴールド、(6)ブルーミングスカイ、(7)キングダムウイナー、(8)ワイワイキング、(9)レクセランス、(10)アウサンガテorレッドベルジュールorディープキング

牝馬(2019)
(1)リアアメリア、(2)リズムオブラヴ、(3)アトリビュート、(4)ルナシオン、(5)クロワルース、(6)ダブルアンコール、(7)ラヴユーライヴ、(8)ランクリッツ、(9)シャドウブロッサム、(10)サンクテュエールorオーマイダーリンorペルラネーラ

それでは、牡馬のほうから見ていくと、重賞勝ち馬は、レッドベルジュールのみでした。なんといっても、コントレイルを取りあげることが出来なかったのかということに尽きるわけですが、皆様も矢作師のインタビューなどで御存じのとおり、1歳の暮れから2歳の5月まで、半年間も騎乗調教が出来ない状態が続き、馬体画像にも運動不足がそのまま表れていて、2冠達成のこの時点で振り返ってみても、ピックアップは無理だったというしかありません。指名するとすれば、血統だけを頼りに強行するよりなかったと思われます。
牝馬のほうは、リアアメリアとサンクテュエールが重賞勝ち。こちらも、無敗の2冠馬誕生ということで、それ以外の馬たちにとっては、厳しい状況となってしまいましたね。

駄目出しはそこまでにして、新シーズンのリストに移りましょう。
いよいよ、新馬戦スタート当日の土曜日になりました。本日は、まだディープ産駒の出走はありませんが、ここ数日ほどタイトルにあった「暫定」の2文字は削って、最終確定版とします。以後、順位を変更することはありません。
なお、暫定期間中の変更ですが、本編1頭(レディオブキャメロット18)と番外編1頭(ローウェル)を追加しましたので、お知らせいたします(ローウェルは、ただの書き忘れでしたが)。

牡馬(2020)
(1)シュヴァリエローズ(ヴィアンローズ18)、(2)アークライト(ヒストリックスター18)、(3)ヨーホーレイク(クロウキャニオン18)、(4)ザレストノーウェア(ミュージカルウェイ18)、(5)サトノスバル(コンクエストハーネライト18)、(6)ランドオブリバティ(ドバウィハイツ18)、(7)レッドベルオーブ(レッドファンタジア18)、(8)エクスインパクト(エクセレンス18)、(9)バッソプロフォンド(レディオブオペラ18)、(10)メルカデオ(ワッツダチャンセズ18)、(11)レイオブウォーター(ノーブルジュエリー18)、(12)リトルゲルダ18、(13)レッドジェネシス(リュズキナ18)、(14)レアンカルナシオン(オールウェイズウィリング18)、(15)マンインザミラー(シルヴァースカヤ18)

牝馬(2020)
(1)サトノレイナス(バラダセール18)、(2)トレデマンド(コンドコマンド18)、(3)クライミングリリー(コンテスティッド18)、(4)ジェムフェザー(オーサムフェザー18)、(5)タイセイグラシア(インプレスゴールド18)、(6)アカイトリノムスメ(アパパネ18)、(7)フィアスプライド(ストロベリーフェア18)、(8)メラニー(ロベルタ18)、(9)クイーンズキトゥン(ステファニーズキトゥン18)、(10)ジュリアバローズ(シャムロッカー18)orレディオブキャメロット18

まず、全体的な話からですが、今年のPOG本などに掲載されている馬体画像は、新型コロナ騒動の影響を大きく受けており、具体的には、2月頃の古い画像から4月過ぎの新しめの画像までが混在しているということに注意せねばなりません。この点をうっかりして、例年通りの感覚で馬体画像の比較を行なうと、とんでもない失敗をやらかす恐れがあります。なにはともあれ、画像の撮影日時をしっかり確認してくださいね。
で、牡馬のほうなのですが、新旧の画像が入り乱れている状況に悩みぬいた挙句、今年に限っての非常事態的な措置として、特別に順位付けを15位まで拡大させていただきました。レベル的には、例年なみだと思うので、リストに取りあげたい馬が多すぎて困ったとかいうことではなく、あくまでも新旧の画像を比較することの困難さによるものと御理解ください。
一方、牝馬のほうですが、こちらは例年よりも層が薄いように思われます。新旧の画像が混在しているという点では牡馬と同じですが、牝馬については15位までとすると明らかに多すぎますので、例年と同じく10位までということに落ち着きました。

それでは、牡馬のほうから1頭ずつコメントを付けていくことにしましょう。
牡馬の1位は、さんざん迷いましたが、シュヴァリエローズの伸びしろに期待することにしました。リンクした画像は2月末の古いもので、しかもシュヴァリエローズは5月の遅生まれですから、かなり不確定要素が大きいと言わざるをえません。しかし、昨年のアルジャンナや一昨年のダノンチェイサーのような、これで1位は決まりといった馬がいませんので、シュヴァリエローズの今後の成長に賭けて、1位に推すことにしました。
2位のアークライトは、ハープスターの全弟。お姉さんの胴を伸ばしたような体型で、サイズも大きく、よほど1位にしようかとも思ったのですが、あまりにも置きにいった感があるので、2位ということで落ち着きました。
3位のヨーホーレイクは、おなじみクロウキャニオン産駒。体型的には、カミノタサハラストーンリッジの筋肉量を増やしたような感じですね。母が高齢となってきたのは不安点ですが、馬体の出来は、全兄弟の中でも最も見栄えがします。
4位のザレストノーウェアは、ミッキークイーンの全弟。POG本には、アドマイヤステラの馬名で載っていると思いますが、オーナーが交代した関係で、馬名も変更されていますので要注意。友道師によれば、馬体がいくらか小さめとのことですが、POG本に記載されている馬体重は、448キロということなので、そこまで心配する必要もなさそうです。
5位のサトノスバルは、いわゆるサトノ軍団の中では、下河辺牧場産ということもあって、それほど注目されているわけでもないようです。馬体は、ディープ×ストームキャット配合の典型的な体型で、ダノンキングリーに似たタイプですね。
6位のランドオブリバティは、リバティハイツの半弟。全兄のサトノジャパンは、昨年イギリスでデビュー戦を白星で飾りました。ランドオブリバティの画像は、「丸ごとPOG」にしか掲載されていないようですが、小さくて先行きが不安だった1歳時にくらべて、大幅なサイズアップに成功し、POG本に記載されている馬体重は、475キロと充分な数字になっています。これなら、血統的な良さを発揮することが出来るでしょう。
7位のレッドベルオーブは、レッドベルジュールの全弟。お兄さんは残念なことに喉鳴りを発症し、手術のため休養に追い込まれてしまいました。こちらの弟は、体型的にはお兄さんそっくりで、お兄さんと遜色ない活躍が期待できると思います。
8位のエクスインパクトは、レクセランスの全弟。胴伸びのある中距離体型のお兄さんに比べて、弟のほうはコンパクトにまとまった体型ですね。リンクした画像は、比較的新しい4月のものですが、POG本に載っているこちらの古い画像とくらべると、まるで別の馬のようです。こういったところにも、今年の馬体評価の難しさが表れています。
9位のバッソプロフォンドは、バルトリの全弟。お姉さんは、馬格に恵まれませんでしたが、弟のほうは、大柄で胴長、なかなか大物感のある馬体ですね。ディープ産駒には珍しく、サンデーのクロスを持つ点にも注目です。
10位のメルカデオは、ロッタチャンセズの全弟。お姉さんは、390キロ台の小柄な馬体でありながら、新馬勝ちをおさめています。弟のほうは、お姉さんには似ておらず、大柄で胴伸びもあり、見た目でいえば、キタサンブラックそっくりです(リンクした画像は引退直後のもの)。配合的には、ほとんど共通点はありませんが、とにかく似ていることは確かですよ。
11位のレイオブウォーターは、ノーブルカリナンの全弟。お姉さんは、普通サイズでしたが、こちらの弟のほうは、かなり大柄ですね。体型的には、ディープ×ミスプロ系でよく見かける感じです。
12位のリトルゲルダ18は、大穴コーナーで取りあげようかとも思ったのですが、せっかく今年は15位まで拡大したのですから、本編で扱うことにしました。人気の盲点になりそうなので、下位でも指名できるかもしれませんよ。
13位のレッドジェネシスは、今年のリスト2頭目のディープ×ストームキャット配合。体型的には、サトノスバル同様、ダノンキングリー似だと思います。
14位のレアンカルナシオンは、ショウナンアデラの全弟。他にも2頭の全兄がいるのですが、そちらのほうは全くの空振りで、牡馬よりも牝馬が走る血統なのではという疑惑もあるようです。2頭のお兄さんにくらべると、馬体の出来はかなり上だと思いますが、それでも走らないようなら、本当に牝馬血統なのかもしれませんね。
15位のマンインザミラーは、こちらもおなじみシルヴァースカヤ産駒。母の高齢化に加え、昨年のPOGで大人気だったシルヴェリオ(父ハーツクライ)が今一つだったことから、思ったほど人気になっていないようです。全兄は4頭いますが、体型的にはそれぞれ全く似ておらず、今回の弟も、どの全兄とも似ていません。ただし、4頭の全兄には、たった1つだけ馬体上の共通点があって、それは父ディープにまるで似ていないということなのですが、マンインザミラーは、5頭目にして初めてディープ似の産駒となりました。しかし、初めてということは、過去のデータが通用しないということでもあり、ディープに似ていることが、はたして良いことなのか悪いことなのか、ちょっと判断に窮するところです。判断保留でリストから外すことも考えたのですが、せっかく15頭も選べるのですから、最後の1枠をこの馬に使うことにしました。

引き続き、牝馬のほうもコメントを付けていきましょう。
1位は、サトノレイナスとトレデマンドとで迷いましたが、サトノレイナスのほうにしました。サトノフラッグの全妹で、そこそこ似ていますが、妹のほうがより洗練された馬体だと思います。この馬を指名する場合の問題点は、里見オーナーがあちこちのメディアで「今年の一番馬」と持ち上げていることでしょう。開幕週のデビューが決定していることもあいまって、必要以上に獲得へのハードルが高くなってしまいました。抽選覚悟で指名するかどうか、事前に腹を決めておくべきでしょう。
2位のトレデマンドは、アルジャンナの全妹。お兄さんよりは胴が短めなので、オークスよりも桜花賞向きのタイプかもしれません。今年のディープ産駒の牝馬は、馬体面においては、サトノレイナスとトレデマンドが、頭一つ二つ抜けた存在のように思います(もちろん、画像を確認できた範囲内でですが)。
3位のクライミングリリーは、ギベオンの全妹。ただ、お兄さんには似ておらず、しいて言えば、ショウナンパンドラのような体型だと思います。
4位のジェムフェザーは、スーパーフェザーの全妹。スーパーフェザーは、青葉賞3着など、そこそこの成績ですが、他に2頭いる全姉の成績は、まったくパッとしません。とはいえ、全姉はどちらも410キロ前後の馬格のなさが問題だと思われるので、ジェムフェザーは、POG本に記載されている馬体重が457キロということですから、3度目の正直を期待したいところですね。
5位のタイセイグラシアは、ディープ×ブライアンズタイムの配合では、あまり見かけない体型に出ました。むしろ、ディープ×ミスプロ系によく見られる馬体でしょう。スマートなわりには、トモのボリュームがしっかりあるのがよいですね。
6位のアカイトリノムスメは、ディープ×アパパネの初の牝馬です。お兄さんたちは、いずれもキングカメハメハの影響が濃かったのですが、こちらの妹は、ディープらしさも受け継いでいるようです。そのあたりが、どう違ってくるかでしょう。
7位のフィアスプライドは、ミッドサマーフェアの半妹。全姉も2頭いて、ソフトフルートのほうは、徐々に頭角を表わしてきています。フィアスプライドは、馬格もそこそこあり、そろそろ活躍馬が出てもよい頃でしょう。
8位のメラニーは、POGで毎年そこそこ人気になりながら、まだこれといった大物の出ていない、ロベルタ産駒です。母の産駒としては初めての牝馬ですが、馬体の出来という点では、5頭の全兄妹の中でも一番ではないでしょうか。お兄さんたちが人気を裏切り続けてきたので、意外と中~下位でも指名できるかもしれません。
9位のクイーンズキトゥンは、カトゥルスフェリスの全妹。お姉さんはサイズに恵まれませんでしたが、こちらの妹のほうも小柄な馬体ですね。シルエットはよいと思うので、あとは馬体の成長がどこまでというところでしょう。
10位のジュリアバローズは、サトノグロワールの全妹。お兄さんはかなりの素質を見せていましたが、残念ながら現在は長期休養中。こちらの妹は、お兄さんと違って馬格のないのが難点ですが、今後のウエイトアップに期待しての10位としました。

いったん書き上げてアップしたのですが、1頭追加させていただきます。レディオブキャメロット18を、牝馬の10位タイとして追加することにしました。暫定期間中に追加したのは、今回が初めてとなります。

参考・2011~2018年版

牡馬(2011)
(1)ダノンドリーム、(2)ディープブリランテ、(3)エックスマーク、(4)アーカイヴ、(5)トーセンホマレボシ、(6)モンテエクリプス、(7)ワールドエース、(8)ディサイファ、(9)アーデント、(10)ロードアクレイム
牝馬(2011)
(1)マトゥラー、(2)ジョワドヴィーヴル、(3)ジェンティルドンナ、(4)アンチュラス、(5)ヴィルシーナ、(6)エポキシ

牡馬(2012)
(1)カレンバッドボーイ、(2)キズナ、(3)アドマイヤキンカク、(4)トルストイ、(5)コメットシーカー、(6)ラウンドワールド、(7)ケイティープライド、(8)サトノノブレス、(9)ハッピーモーメント、(10)ジューヴルエールorサトノプレステージorラストインパクト
牝馬(2012)
(1)ラキシス、(2)ラストグルーヴ、(3)ファイアマーシャル、(4)ミライエ、(5)デニムアンドルビー、(6)バリローチェ、(7)レッドオーヴァル、(8)シュぺトレーゼ

牡馬(2013)
(1)ローハイド、(2)トーセンマタコイヤ、(3)キミノナハセンター、(4)トーセンスターダム、(5)サトノアラジン、(6)オリハルコン、(7)サトノルパン、(8)ベルキャニオン、(9)パリーアーク、(10)エーデルグランツorガリバルディ
牝馬(2013)
(1)レッドメイヴ、(2)ハープスター、(3)カノーロ、(4)エルノルテ、(5)キュリオスティー、(6)スナッチマインド、(7)サンドラバローズ、(8)サトノエカテリーナ、(9)クイーンズシアター、(10)ポーシアorディープラヴ

牡馬(2014)
(1)ラヴィダフェリース、(2)レゲンデ、(3)ティルナノーグ、(4)リアルスティール、(5)サトノシュプリーム、(6)モンドインテロ、(7)アヴニールマルシェ、(8)ポルトドートウィユ、(9)アンタラジー、(10)エイムハイorディープフォルツァ
牝馬(2014)
(1)タッチングスピーチ、(2)パラダイスリッジ、(3)マイスフォルテ、(4)ショウナンアデラ、(5)クルミナル、(6)デビュタント、(7)ステラスターライト、(8)サトノシャルマン、(9)コンテッサトゥーレ、(10)パピーラヴ

牡馬(2015)
(1)リライアブルエース、(2)ケイブルグラム、(3)プロディガルサン、(4)マツリダバッハ、(5)ポルトフォイユ、(6)フォイヤーヴェルク、(7)ロイカバード、(8)レヴィンインパクト、(9)レーヴァテイン、(10)ロードプラチナム
牝馬(2015)
(1)ラルク、(2)パーシーズベスト、(3)リボンフラワー、(4)エイシンティンクル、(5)アッパレドンキ、(6)ミニョンレーヌ、(7)フォルテミニョン、(8)レッドアヴァンセ、(9)レッドアルカナ、(10)ニシノハナムスメorパローマorリーチザハイツ

牡馬(2016)
(1)ダブルバインド、(2)サトノアーサー、(3)ムーヴザワールド、(4)ザウォルドルフ、(5)ロードアルバータ、(6)ジェニアル、(7)アドミラブル、(8)サトノポラリス、(9)モクレレ、(10)グレンマクナスorクリアザトラック
牝馬(2016)
(1)ジュンテオドーラ、(2)フローレスマジック、(3)ヴィニー、(4)アーキタイプ、(5)アルミレーナ、(6)オーロラエンブレム、(7)カデナダムール、(8)オンリートゥモロー、(9)レッドオルガ、(10)ユイフィーユorエレクトロニカorパールズシャイン

牡馬(2017)
(1)ブレステイキング、(2)ヘンリーバローズ、(3)ヴィンツェンツィオ、(4)スーパーフェザー、(5)ピボットポイント、(6)ヴェルテアシャフト、(7)フィエールマン、(8)ブレイニーラン、(9)カザン、(10)ジナンボーorロードマドリードorグレートウォリアー
牝馬(2017)
(1)リンフォルツァンド、(2)サラキア、(3)ダノンチェリー、(4)プラーナ、(5)サトノワルキューレ、(6)スターリーステージ、(7)レッドヴァール、(8)レッドランディーニ、(9)ヴィルトゥース、(10)プリモシーンorガールズバンドorカーロバンビーナ

牡馬(2018)
(1)ダノンチェイサー、(2)トーセンカンビーナ、(3)サターン、(4)サトノジェネシス、(5)セントレオナード、(6)サトノソロモン、(7)キタノインパクト、(8)リスト、(9)サラミス、(10)メイショウテンゲンorサトノエルドールorエールディヴァン
牝馬(2018)
(1)ミディオーサ、(2)ドナアトラエンテ、(3)アルテラローザ、(4)ミッキーバディーラ、(5)ランブリングアレー、(6)シェーングランツ、(7)メッシーナ、(8)ラヴズオンリーユー、(9)コントラチェック、(10)ヴァイオリンソナタorトーホウルスorダイアナブライト

追記
見やすい画像が入手できた場合、画像の追加や差し替えは随時行なう予定です。

追々記
ここ数年、番外編として馬体の大穴企画を行なってきましたが、事前にお約束した通り、今年はそれに加えてキズナ産駒のピックアップ企画も行なうことにしました。キズナ企画は、分かりやすいように、追々々記として別立てにします。
さて、大穴企画のほうですが、こちらも新型コロナ騒動の影響が大きくのしかかってきています。というのは、POG本の取材が、どうしても大手に片寄ってしまい、中小のほうが疎かになっているからです。なかなか厳しい状況なので、今回はすこし視点を変えて、人気の盲点となりそうな馬に狙いを絞ってみました。結果として、大穴というよりは、中穴や小穴という感じになってしまっているかもしれませんが、これも新型コロナのせいということで、大目に見ていただきたいと思います。

牡馬
グレートマジシャン(ナイトマジック18)、ノースザワールド(パスオブドリームズ18)、レッドロワ(プラヤダシエルタ18)
牝馬
リトルブック18、フュチャーポップ(ドナパフューム18)

グレートマジシャンは、数年前のPOGで騒動になったフォイヤーヴェルクの全弟。フォイヤーヴェルクも含めて、5頭の全兄姉は、いずれも微妙な成績ですが、6頭目にして、馬体の面からは最高傑作と言ってよい産駒が現れました。本来なら、大穴コーナーではなく、本編で扱うべきなのでしょうが、こちらで取りあげたのには理由があります。それは、現時点で既に喉鳴りの兆候のようなものが指摘されているからです。このまま快方に向かうよりも、悪化して手術となる可能性のほうが、はるかに高いでしょう。しかし、ダイワメジャーのように手術を克服して大成するケースもあるわけですから、一縷の望みをかけて、大穴コーナーのほうで取りあげることとしました。
ノースザワールドは、下河辺牧場産のディープ産駒ですが、カイザーバローズやサトノスバルの陰に隠れてしまって、まさに人気の盲点になっていると思います。当リストでも、サトノスバルを5位に取りあげているように、馬体の出来という点ではサトノスバルのほうが上だと思いますが、POG人気の差ほどには、馬体の出来に違いがあるようにも思えません。あえて、サトノスバルやカイザーバローズではなく、ノースザワールドの一本釣りを狙うのも、ひとつの戦略でしょう。
レッドロワは、サトノダイヤモンドの8分の7同血の近親。体型的には、サトノダイヤモンドよりも、その全弟のサトノジェネシスのほうに似ていると思いますが、それにしても、ほとんど話題になっていないような気がします。

リトルブック18は、ロジャーバローズの全妹。ジェンティルドンナの8分の7同血の従妹でもあり、もっと話題になってしかるべきですが、どうもそのようには感じられません。体型的には、ロジャーバローズにもジェンティルドンナにも似ていませんが、取材時点で馬体重が480キロもあったので、馬格は充分です。
フューチャーポップは、ジェンティルドンナの全同血の従妹であり、ロジャーバローズの8分の7同血の従妹でもあります。ジェンティルドンナの母ドナブリーニの圧倒的な繁殖成績によって、2匹目のドジョウを狙って輸入されたのが、4分の3妹のリトルブックや、全妹のドナパフュームということです。フューチャーポップは残念ながら、撮影時の馬体重が、わずか419キロでした。当リストでは、原則として430キロ未満の馬は取りあげないのが暗黙の了解となっていますが、大穴コーナーということですから、あえて取りあげてみました。

追々々記
それでは、新たな試みとして、キズナ産駒の馬体評価リストに挑戦してみたいと思います。しかし、今年のPOG本は、どれもこれもモーリス産駒&ドゥラメンテ産駒のオンパレードで、初年度産駒がPOG期間内に重賞勝ち馬6頭(重賞勝利数は7勝)という驚異的な成績をあげたキズナの産駒は、馬体画像の枚数に関する限り、昨年よりも減少してしまいました。ちょっと信じられない出鱈目さのように思うのですが、2年目の産駒も好成績をあげれば、来年こそはマスコミもぞんざいな扱いはできなくなることでしょう。
キズナの初年度産駒の活躍馬の傾向として、馬体面からは、父キズナ似ということと、ある程度のサイズがあることの2点が指摘できそうです。もちろん、マルターズディオサのように、あまり大きくない重賞勝ち馬もいますが、ここは割り切ってチョイスしていきましょう。

牡馬
スーパーホープ(ケンホープ18)、ダディーズビビッド(ケイティーズギフト18)、テイクバイストーム(マザーウェル18)、ローウェル(アンティフォナ18)、ホウオウルバン(フサイチジェット18)、トーセンアラン(アドマイヤキラメキ18)、バスラットレオン(バスラットアマル18)、アシュラム(カメリアローズ18)
牝馬
パタゴニア(ライフフォーセール18)、ステラリア(ポリネイター18)、ソングオブソフィア(ミスサイベリア18)、サイキユイコウル(グッドチョイス18)、ヘネラルカレーラ(セレブラール18)

スーパーホープは、プールヴィルの半弟。馬格に恵まれなかったお姉さんと違って、こちらは大柄で父キズナ似の馬体です。
ダディーズビビッドは、ケイティズプライドの4分の3弟。3月下旬の段階で入厩しており、早期デビューを目指しています。
テイクバイストームは、ノーザンFの生産馬ですが、セレクトセールで購入されてノースヒルズ軍団入り。4分の3同血の従兄レトロロックは、オープンまで出世しました。
ホウオウルバンは、岡田牧雄氏によれば、岡田スタッドの今年の一番馬候補だそうです。兄弟はダート馬ばかりですが、こちらはどうでしょうか。
トーセンアランは、トーセンスターダムの4分の3弟。お兄さんは、オーストラリアでG1戦を2勝しました。こちらの弟は、セレクトセールで1億3000万円の高額で落札されています。おそらく、この世代のキズナ産駒の中でも、最も値段の高かった馬でしょう。
バスラットレオンは、スティッフェリオの従弟。大柄でキズナ似の基本パターン通りですね。
アシュラムは、そこまでキズナに似ているとも言いにくく、かなりガリレオの影響が顕著ですが、ちょっと面白いところのある馬なので、リストに入れておくことにします。

大事な馬を忘れていたので、追加します。ラウダシオンの4分の3弟ローウェルです。たんにG1馬の弟というだけでなく、昨シーズンのクラシック戦線で猛威を振るった、ディープ×アンブライドルズソング×ストームキャットの配合パターンが注目されるところですね。

パタゴニアは、このリストの中では、最もメディアの注目度の高い馬かもしれません。ダノンファンタジーの4分の3妹ですが、お姉さんには全く似ておらず、キズナにそっくりです。
ステラリアは、すでに入厩済みで、かなり速い時計も出ています。早期デビューで好勝負が期待できそうですね。
ソングオブソフィアは、母系が名門です。4代母リサデルは、エルコンドルパサーの3代母にあたり、あのスペシャル(ヌレイエフの母&サドラーズウェルズの祖母)の全妹でもあります。
サイキユイコウルは、グレープブランデーの従妹。ややダート寄りの配合ですが、キズナ産駒は、ディープ産駒とは異なり、ダートでもそこそこやれるので、もし芝で今一つでも潰しがききますね。
ヘネラルカレーラは、ベルカント&イベリスの半妹。全姉エレヴァートは、小柄で今のところ1勝にとどまっていますが、その全姉よりも一回り大きいので、期待したいですね。

最後に、おまけとして、リアルインパクト産駒とエイシンヒカリ産駒も、数頭ずつ選んでみました。本当は、ミッキーアイル産駒も選びたかったのですが、どのPOG本にも2~3頭の画像しか載っておらず、選ぶという行為が成立しませんので、今回は見送りということで。
なお、おまけですので、個別のコメントはありません。

リアルインパクト産駒
牡馬
レッドフランカー(スタイルリスティック18)、デイトンウェイ(ビバリーヒルズ18)
牝馬
ギブミーラブ(エリドゥバビロン18)

エイシンヒカリ産駒
牡馬
フレディバローズ(バートラムガーデン18)、エイシンビルト(エイシンコアー18)、シャイニングライト(ニューアイデア18)、ファステストシチー(プリンセスミユキ18)、
牝馬
(無し)