今回は、ミッキーマインドの新馬戦を取りあげます。

https://www.youtube.com/watch?v=sogQTdVK_s0
http://db.netkeiba.com/race/201707030305/

ミッキーマインドとロードマドリードのディープ産駒2頭が人気を分けましたが、レースも、逃げるロードマドリードを、好位から進めたミッキーマインドが捕まえにかかる一騎打ちの展開となり、ミッキーマインドが首差で勝利しました。
ミッキーマインドは、順調に調教を積めていたのに対し、ロードマドリードは、入厩後に馬体重を減らして強い調教が出来ないまま見切り発車となってしまったようで、このあたりが勝負の分かれ目になったようです。
しかし、こんな早い時期からディープ産駒どうしの潰し合いは、勘弁してもらいたいような気もします。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001208351/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていくことにしましょう。
母マイグッドネスは、米6戦1勝。産駒は、交流G1・JBCスプリントを制した、ダノンレジェンドがいます。ミッキーマインドの全姉ミッキーグッドネスは、400キロそこそこの軽量で苦労しているようです(11戦2勝、現役)。
祖母カレシングは、米G1・ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。
4代母フォレストプリンセスは、自身の競走成績や繁殖成績は平凡でしたが、孫の代がブレイクして、いまやこの母系の堂々たる主流派と言ってよいでしょう。
母系は、米国のややマイナーな、ファオナ牝系。活躍馬がコンスタントに出だしたのは、フォレストプリンセス以降になります。日本では、ダノンレジェンドが唯一のG1馬ではないでしょうか。

(1)ディープ×ストームキャット
ディープ×母父ストームキャットの配合の産駒は、42頭がデビューして、36頭が勝ち上がり(うち5頭は地方)、7頭が重賞に勝ち、G1馬は6頭。重賞勝ち馬の数では、ディープ×フレンチデピュティに並ばれてしまいましたが、G1馬6頭というのは、依然としてダントツの成績です。
この配合のポイントについては、望田潤氏は、ストームキャットの持つエイトサーティの血の活用、栗山求氏は、ハイペリオンの血の多寡をあげておられます。

マイグッドネス
http://www.jbis.or.jp/horse/0001157818/pedigree/

ミッキーマインドの場合、エイトサーティの血の活用については、母マイグッドネスの配合が、エイトサーティウォーレリック6×7・7なので、クリアしています。
ハイペリオンの血については、豊富とまでは言えませんが、そこそこの量はあると思うので、とくに問題なしと考えてよさそうです。

(2)リファールのクロス
ミッキーマインドには、リファール4×6のクロスがあります。リファールのクロスを持つディープ産駒は、ジェンティルドンナ&ドナウブルー、トーセンラー&スピルバーグ、ディープブリランテ、スマートロビン、パッションダンス、スマートレイアー、サトノルパン、クランモンタナなどがおり、POGファンも注目されているかたが多いでしょう。
しかし、当ブログとしては、単独でのリファールのクロスは重苦しいという立場で、レイズアネイティヴの血や、ディープの持つヘイロー≒サーアイヴァーの相似クロスの継続などのサポートがあった方が望ましいという立場です。実際、レイズアネイティヴの血も無く、ヘイロー≒サーアイヴァーのクロスも継続していないケースでの重賞勝ち馬は、クランモンタナだけなのです。
では、ミッキーマインドの場合はどうかいえば、母母母父マジェスティックプリンスの父が、レイズアネイティヴですから、問題ありませんね。
ディープ×ストームキャットと、リファールのクロスとは、ディープ産駒の配合における最も知名度の高い成功パターンですが、両者をともに持つ馬は、かなり珍しいのではないでしょうか。姉のほうは、あまりにも小柄すぎて参考外ですから、ミッキーマインドの今後が注目されるところです。

(3)サーアイヴァー≒セキロ
ディープ産駒の有名なニックスといえば、ディープ×アンブライドルド&アンブライドルズソング父仔も、よく知られてます。
望田潤氏によれば、このニックスの根拠は、サーアイヴァーセキロの組み合わせのクロス(マームード、プリンスキロ、マンノウォー、サーギャラハッド=マルグリットドヴァロワが共通)にあるようです。

オナ―アンドグローリー
http://www.jbis.or.jp/horse/0000362822/pedigree/

ミッキーマインドには、アンブライドルドやアンブライドルズソングの血があるわけではありませんが、母母父オナ―アンドグローリーの4代母が、セキロになります。
ニックスの根拠になるくらいですから、サーアイヴァーとセキロの組み合わせのクロス単独でも、一定の効果を期待してもよいでしょう。

(4)まとめ
ミッキーマインドの配合は、ディープ産駒のこれまでの成功パターンをあれこれ取り込んだ、なかなか興味深いものです。
ただ、配合の場合、あれもこれもと欲張って詰め込むと、方向性のはっきりしない出たとこまかせなものに陥る危険性もあります。
ミッキーマインドがどういうタイプに成長していくのか、要注目ですね。

パドック画像
https://livedoor.blogimg.jp/keiba100bai/imgs/6/c/6c6ee35d.jpg

引き続き、馬体のほうも見ていきましょう。
ネット上には、あまりよい画像がありませんが、ほとんどのPOG本には、この馬の画像があると思うので、そちらを参照してください。
がっちりとはしているのですが、ややコンパクトにまとまった感じもあり、大物感よりも完成度の高さのほうが目につきます。もちろん、まだこの時期ですから、これから変わってくるかもしれませんが、早い段階から賞金を稼いでくれそうな一方で、来年のクラシック本番で底力を発揮するようなタイプかどうかについては、やや心配もあるといったところでしょうか。

最後に、今後の展望について。
ディープ産駒の評判馬どうしの新馬戦を制したわけですから、かなりの素質があることは間違いないでしょう。
しかしながら、大物感という点では、まだよく判らないところもあり、馬体面での成長が今後のカギとなってきそうです。
ある程度以上の馬体の成長があれば、配合面ではしっかりしているので、クラシック路線に乗ってくると思いますが、あまり馬体面で変化が見られないようだと、本番は難しいかもしれません。
一にも二にも、馬体の成長がポイントということですね。