年末は予定が立て込んで、すこし間隔があいてしまいましたが、仕事始めまでは暇になったので、しっかり更新していきたいと思います。
今回は、グローリーヴェイズの新馬戦を取りあげましょう。

新馬戦
https://www.youtube.com/watch?v=Id_4ENj2nAE
http://db.netkeiba.com/race/201706040905/

こうやまき賞
https://www.youtube.com/watch?v=Okp76JFmkA0
http://db.netkeiba.com/race/201707040410/

新馬戦は押し出されて逃げる形となりましたが、ノーステッキで最後は流す完勝でした。
更新が遅れている関係で、2戦目のこうやまき賞の結果も出ていますが、スタートで出遅れ、しかもマイル戦の前半5Fが64秒1という超スローペースに巻き込まれ、頭差とどかずの2着に終わりました。
2戦目の敗戦の直接的な原因は、出遅れと超スローペースにありますが、この馬の脚質を考える上では参考になるレースでした。それについては、後ほど詳しく触れます。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001208666/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていきましょう。
母メジロツボネは、26戦4勝。グローリーヴェイズが初仔です。
3代母メジロラモーヌは、牝馬3冠馬。しかし、繁殖牝馬としては、平凡な結果に終わりました。
4代母メジロヒリュウは、メジロラモーヌの他にも、メジロアルダンがダービー2着などの活躍をしています。
5代母アマゾンウォリアーは、京都記念に勝ったメジローイーグルの母。
母系は、プリンスシャブリエ、ソヴィエトスター、ブラックタイアフェアーなどの出た、サンタストラ牝系。日本でも繁栄しており、メジロラモーヌ、アドマイヤマックス、ラインクラフトなどが出ています。

(1)ミスプロ+リファールのクロス
配合でまず目につくには、リファール4×5のクロスです。当ブログではお馴じみになってきましたが、単独のリファールのクロスは好ましくなく、ミスプロの血を加えたり、ディープの持つヘイロー≒サーアイヴァーの相似クロスを継続したりといった、なんらかの補強が必要という立場です。
メジロツボネは、父がミスプロ系ですから、問題ありません。

(2)オリオール
ディープ産駒の成長力を高める配合として、ディープの祖母バークレアの血の活用を重視されるのが望田潤氏です。
グローリーヴェイズには、オリオールの血があり(母母父メジロライアンの母父母父)、バークレアとの組み合わせのクロス(ドナテロ、ハイぺリオン、サンインロー~アロウが共通)をなしています。

(3)ナスキロ色の薄い母
母メジロツボネの配合は、ノーザンダンサー5×5・5のクロスを基調に、米国血脈のパワーを大量投入しています。
他方、ナスキロ色はかなり薄く、その母にディープを交配しても、ディープ的な切れ味よりも、リファールのクロスの粘りを、米国血脈のパワーで補うような産駒が予想されます。
デビュー2戦のレース内容は、ポジション取りという点で対照的でしたが、配合の面からは、デビュー戦のような積極的に好位を取りにいくレース運びがおすすめだと思います。

(4)ポカホンタスのクロス
今年の2歳世代は、ポカホンタスのクロスの当たり年のようで、サクソンウォリアー、ワグネリアン、ヘンリーバローズなどにもありますが、これまでにも、サトノダイヤモンドマカヒキ&ウリウリ、ヴィルシーナ&ヴィブロス、トーセンスターダム、ビューティパーラー、マルセリーナなど多くの活躍馬が出ています。
グローリーヴェイズでは、ポカホンタス5×7ですね。

(5)まとめ
配合的には、リファールのクロスと、バークレアとオリオールの組み合わせのクロスが基本的な骨組みになっていると思いますが、この取り合わせは、トーセンラー&スピルバーグの成功例があります。
配合面ではしっかりしていると思うので、あとは、初仔らしい馬格の無さをどうカバーしていくかでしょう。

https://www.silkhorseclub.jp/detail_gallery/city/download/0265/d_02650002.jpg

引き続き、馬体のほうも見ていくことにします。
体型的には、ディープよりも母父スウェプトオーヴァーボードの影響が強いようです。スウェプトオーヴァーボードは、ミスプロ系としては、あまり特徴のない体型ですが、代表産駒のレッドファルクスの2歳時の体型を見ても、グローリーヴェイズとの類似点が見てとれるでしょう。
体型よりも、前述のように、牡馬としては馬体が小さめである点のほうが問題で、クラシック路線で戦うためには、もう10キロくらいのウエイトアップが望ましいと思います。

スウェプトオーヴァーボード
http://www.jbis.or.jp/horse/images/0000375505_2/
レッドファルクス(2歳、スウェプトオーヴァーボード産駒の例として)
https://www.tokyo-tc.com/mng_h_img/org_kinkyo_redfalx_23.jpg

ディープインパクト(3歳、皐月賞)
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif

最後に、今後の展望について。
注目点としては、馬体面で成長が見られるかということと、どういう脚質に育てていくかということの2点でしょう。
前者については、成り行きを見守るしかありませんが、後者については、陣営の方針次第です。個人的には、先行馬として育てたほうが、メリットが多いと思います。ワグネリアンやオブセッションと末脚較べで上回ることを目指すという方針は、あまり可能性が感じられません。好位で上手く立ち回って勝ち星を稼いでいくのが、現実的ではないでしょうか。