なかなか更新の時間が取れず、申し訳ありません。今週のフローラSの出走を予定している馬の中で、まだ取りあげていない2勝馬の3頭、サトノワルキューレ、レッドベルローズ、オハナについて、レースの前に触れておきたいと思います(出来れば、1勝馬の2頭も扱っておきたいのですが、ちょっと時間的に厳しいかも)。
まず、サトノワルキューレから。

新馬戦
https://www.youtube.com/watch?v=iEtgSMJLbg8
http://db.netkeiba.com/race/201708050505/

ゆきやなぎ賞
https://www.youtube.com/watch?v=2-b0P0u_Br0
http://db.netkeiba.com/race/201809010509/

デビュー戦は、牡馬相手に断然の1番人気に推されましたが、やや道悪を気にするところもあって接戦となったものの、最後は頭差で制して人気に応えました。
当然、その後は桜花賞を目指していくのかと思われましたが、陣営はオークス一本に狙いを定め、2戦目は年明けの梅花賞を選択しました。レースは、中団から徐々に押し上げていきましたが、直線でエタリオウに上手く進路を閉められての3着。
3戦目のゆきやなぎ賞は、4番人気にとどまりましたが、前走でしてやられたエタリオウとの一騎討ちの展開となり、最後は強引に外から捻じ伏せて、2勝目をマークしました。
この時期に、牡馬相手に2400mでキャリアを重ねる牝馬というのも、なかなか見かけない光景ですが、オークスに出走することになれば、貴重な経験として活きてくるでしょう。

http://www.jbis.or.jp/horse/0001208461/pedigree/

それでは、血統のほうから、見ていくことにします。
母ヒアトゥウィンは、ブラジルで生産され、南アフリカでデビューしてG1を2勝した後、アメリカに移籍して、最終的には日本へ輸入されました(ちなみに、ブラジルも南アフリカも、国際セリ名簿基準委員会認定のパート1国です)。タピット産駒の持ち込み馬であるサトノファイヤー(12戦1勝、現役)が初仔で、本馬は2番仔になります。輸入後は、ずっとディープが交配されているので、牧場側の期待は大きいようですね。
5代母バンティングは、自身は1勝止まりでしたが、産駒のフォーベイシズが米G2に勝ち、G1でも2着1回3着1回と活躍しました。
母系は、ケルソ、アリシーバ、リアファンなどの出た、マカルーン牝系。日本では、大物と言えるのは、イシノサンデーくらいでしょうか。

(1)リファールのクロス
サトノワルキューレの配合で、まず目につくのは、リファールのクロスでしょうか。当ブログの立場として、単独のリファールのクロスは、やや重苦しいとの見方で、レイズアネイティヴの血とのセットで活用するのがお薦めです。母ヒアトゥウィンは、レイズアネイティヴの血を持つので、問題ありませんね。

(2)バークレアとの組み合わせのクロス
ディープの祖母バークレアの血の活用を重視されているのは、望田潤氏ですが、ヒアトゥウィンには、最も実績のあるオリオールの血があります。
バークレアオリオールの組み合わせのクロスでは、ドナテロ、ハイぺリオン、フェオラ~サンインローの血が共通しています。効果としては、成長力や、大レースでの底力などが期待できるでしょう。

(3)ウインドインハーヘアとアスコットベル
ディープの母ウインドインハーヘアと、サトノワルキューレの祖母アスコットベルとは、組み合わせのクロスとまで言ってよいかは微妙ですが、配合の方向性が似ています。

ウインドインハーヘア
http://www.jbis.or.jp/horse/0000430846/pedigree/
アスコットベル
http://www.jbis.or.jp/horse/0001179468/pedigree/

具体的には、リファール、サーゲイロード、バークレア≒オリオールが共通しています。組み合わせのクロスと言えるかどうかはともかく、ウインドインハーヘアの要素が増幅されていることは確かでしょう。

(4)まとめ
サトノワルキューレの母父ロワノルマンは、フランスでデビューして、アメリカに移籍、最後はブラジルで種牡馬になりましたが、配合面も含めて、日本ではかなり異色の存在でしょう。しかし、そこにとらわれすぎるよりも、(3)で検討したように、ウインドインハーヘアとアスコットベルの類似性に着目すれば、ロワノルマンは、広い意味での4分の1異系的な存在として、配合のメイン要素ではなく、雑種強勢的な補助要因と見なすほうが妥当と考えられます。
ディープの母ウインドインハーヘアの要素を増幅し、母父ロワノルマンが雑種強勢的な趣きを添えているというのが、サトノワルキューレの配合ということになりそうです。

3歳(フローラS)
http://www.keibado.com/keibabook/180423/photo05.html
2歳
https://umatoku.hochi.co.jp/images/pog/mod_images/horse_p42_3.jpg

引き続き、馬体のほうも見ておきましょう。
2歳の段階から、牝馬としてはがっちりした体型でしたが、3歳になってみると、馬名や性別を伏せて、画像だけを見せられたら、牡馬と勘違いしてしまいそうなスケールの大きい馬体に成長しました。
馬体も配合も、マイル戦が不向きのようには思えないのですが、角居師のトータルの判断を信頼すべきでしょうね。
昨年のデイープの2歳産駒の馬体評価リストでは、牝馬の5位に取りあげました。