御無沙汰しております。昨年の秋ごろから何かと多忙で、なかなか更新の時間が取れずに間隔があいてしまい、申し訳ありません。来シーズンこそはということで、各種POG本をチェックしている日々です。
本日は、平成最後の日ということもあり、なにかしら更新しようと思い、ダービー最終便の京都新聞杯&プリンシパルS出走予定馬のなかから、まだ取りあげていなかった馬について触れておくことにしました。
まず、最初は、フランクリンから。

https://www.youtube.com/watch?v=_Ean1QcaCaA
https://db.netkeiba.com/race/201909020604/

フランクリンは、POGでもそこそこ人気のあった馬でしたが、昨年9月のデビュー戦は離された4着に終わりました。凡走の原因は喉鳴りということで、陣営は手術を決断します。
思いのほか復帰に時間を要しましたが、今月7日の未勝利戦で再起戦を白星で飾り、京都新聞杯に登録してきました。常識的には、厳しい戦いが予想されますし、1勝馬なので2着では賞金的にダービー出走は難しく、とにかく勝利が絶対条件のレースとなりました。ここで思い出されるのは、16分の13同血の従兄アドミラブルです。たんに血統が似ているだけでなく、POGで人気→デビュー戦凡走→喉鳴りの手術→復帰してダービー出走を目指す、というところまで似たような状況となっています。アドミラブルはトライアルの青葉賞に快勝し、ダービーでも3着と好走しましたが、はたしてフランクリンは従兄のあとに続くことが出来るでしょうか。

https://www.jbis.or.jp/horse/0001219661/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていくことにします。
母ロベルタは、12戦3勝。産駒は、これまでに2頭いて、いずれもディープ産駒です。初仔のコペルニクスは、いったん地方に転出したものの、既定の勝利数をあげて中央に復帰しています(15戦3勝、現役)。2番仔のフランツは、昨年の京都新聞杯5着の後、長期休養に入っていましたが今年2月に復帰、先月には準オープン特別で2着し、オープン入り目前の状況です(6戦3勝、現役)。
祖母グレースアドマイヤは、15戦3勝。皐月賞馬ヴィクトリーや、G2重賞を3勝したリンカーンを出しました。
3代母バレークイーンは、ダービー馬フサイチコンコルドと、皐月賞馬アンライバルドの2頭のG1馬を出した名繁殖牝馬。
4代母サンプリンセスは、G1戦3勝の活躍馬で、繁殖にあがってからも、G1勝ち馬を出しています。
5代母サニーヴァレイは、サンプリンセスとサドラーズホールの2頭のG1馬を出しました。
母系は、サンプリンセス、ストリートクライ、コンデュイットなどが出た、ラヴオイル牝系。日本では、ネオユニヴァース、フサイチコンコルド、レディパステルなどが出ています。

(1)アドミラブルと16分の13同血
はじめのほうでも触れたように、フランクリンは、従兄のアドミラブルとは、16分の13同血です。

アドミラブル
https://www.jbis.or.jp/horse/0001188522/pedigree/

母父も同じロベルト系ということで、血量以上に近い関係と言えるでしょう。
ただし、あとで触れるように、体型的には全く似ていません。おたがい、それぞれの母父の体型にそっくりで、アドミラブルはシンボリクリスエス似、フランクリンはブライアンズタイム似です。

(2)母父ブライアンズタイム
ディープ×母父ブライアンズタイムは、37頭がデビューし、28頭が勝ち上がり(うち6頭は地方)、2頭が重賞に勝ち、ディーマジェスティが皐月賞を制しました。
アヴェレージはそれほどでもない感じですが、サンデー系×ロベルト系の相性の問題については、一時期、このブログでも集中的に取りあげました。結論としては、サンデー系×ロベルト系の配合で自動的に発生する、ラランブラ≒ラフランス(2本)の相似クロス(ディープ×ロベルト系なら、ラランブラ≒ラフランス(2本)≒ブラックデヴィルの相似クロス)を、何らかの形で継続することが重要ということでした。
フランクリンの場合、サドラーズウェルズの血があるので、ラランブララフランス(2本)≒ブラックデヴィルフレアズ9・8・8×8・9と相似クロスが継続されるので、相性問題は発生しないと考えれます。

(3)バークレアとペティンゴの組み合わせのクロス
ディープの祖母バークレアの血の活用を重視されているのは、望田潤氏です。具体的には、成長力や、大レースでの底力などの効果が見込めるでしょう。

バークレア(ディープの祖母)
https://www.jbis.or.jp/horse/0000394655/pedigree/
ペティンゴ(フランクリンの母母母母父父)
https://www.jbis.or.jp/horse/0000334415/pedigree/

フランクリンの場合、バークレアとペティンゴとの間に、組み合わせのクロス(ドナテロ、ハイぺリオン+ローズレッド、フェアトライアル~サンインローが共通)が発生しています。

(4)まとめ
フランクリンとアドミラブルは、血量的に非常に近いのですが、相違点としては、ナスキロ色の強いアドミラブルに対して、フランクリンはナスキロ色が薄いということでしょう。
そのため、アドミラブルには、外回り向きの末脚が期待できるのに対し、フランクリンのほうは、ブライアンズタイム的な内回り向きの要素が強調されやすい傾向にあります。
今回の京都新聞杯は、外回りコースですから、末脚の切れ味くらべになると分が悪いと思われるので、はやめにロングスパートをかけていく必要がありそうですね。

2歳
https://umatokuimg.hochi.co.jp/horseimages/2016/2016104682/2016104682_201804111727482.jpg

引き続き、馬体のほうも見ていきましょう。
全兄2頭もそうでしたし、今年2歳の全弟プラトンも同様ですが、ディープよりも、母父ブライアンズタイムの影響が濃い体型だと思います。
ただし、2頭の全兄は、牡馬としては小さめだったのに対し、フランクリンは、そこそこサイズがあるので、より大物感があるとは言えるでしょう。
なお、上述のように、アドミラブルは、母父シンボリクリスエスにそっくりで、ディープにもフランクリンにも似ていませんね。

コペルニクス(2歳)
https://pc-cache.keibalab.jp/img/horse/2014106253/2014106253_01.jpg
アドミラブル(2歳)
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/keiba/keiba/2017/assets_c/2017/04/adomirabul-thumb-550xauto-184137.jpg

ディープインパクト(3歳、皐月賞)
https://livedoor.4.blogimg.jp/jrdbjp/imgs/2/e/2e0bbb10.gif
ブライアンズタイム
https://www.jbis.or.jp/horse/images/0000333844_1/
シンボリクリスエス(3歳、ジャパンC)
http://www.keibado.com/keibabook/021125/photo03.html