明日、黄菊賞に出走を予定している、ジャスティンパレスを取りあげます。

https://www.youtube.com/watch?v=Dcx-VSKNCEA
https://db.netkeiba.com/race/202107050205/

セレクトセールの高額落札馬ということもあり、新馬戦では1倍台の一本被りの人気となりました。
レースは、番手につけて、直線でも早々と先頭に立ち、3番人気のアカデミーが追いすがってきましたが、しっかり1馬身半差つけてデビュー勝ち。ベルモントSなど米G1戦2勝のパレスマリスの半弟という点でも注目されましたが、まずは好発進といってもよさそうですね。
次走は、2か月あけて、黄菊賞となりました。前売りでは、グランディアとの一騎討ちムードです。前走のレース内容は、グランディアのほうがよかったですが、新馬戦で負けての2戦目でしたから、単純な比較はできません。6頭立ての少頭数ということで、紛れのない力勝負になりそうですし、なんとか頑張ってほしいですね。

https://www.jbis.or.jp/horse/0001311961/pedigree/

それでは、血統のほうから見ていくことにしましょう。
母パレスルーマーは、米16戦5勝。産駒からは、先ほど触れたように、ベルモントS馬パレスマリスを出しています。ジャスティンパレスの全姉パラッツォレジーナは、馬格に恵まれず、未勝利に終わりました。
3代母ステラーアフェアーは、米15戦5勝。直仔からはこれといった活躍馬は出ませんでしたが、孫の代ではG1馬が出ています。
母系は、パレスマリス、ムタファーウエク、マニスティークなどが出た、ナイツギャル牝系。日本では、アルアイン&シャフリヤール兄弟がG1に勝っています。

(1)母父ロイヤルアンセム
ロイヤルアンセムは、ノーザンダンサー~ヌレイエフの系統で、現役時代は、英インターナショナルSなどG1戦3勝と活躍しました。しかし、種牡馬としては、G1馬がダートで1頭だけ出ましたが、トータルとしては失敗に終わったと言わざるをえないようです。
ディープ×母父ロイヤルアンセムの配合の産駒は、パラッツォレジーナ&ジャスティンパレス姉弟しかいないようですね。

(2)母パレスルーマーの配合
母パレスルーマーの配合は、ほぼ米国血脈で塗りつぶされています。デイープと相性のよいダマスカスやウォーレリック(=スピードボート)の血もしっかりありますが、残念なことに、ラトロワンヌの血がありません。
ナスルーラやロイヤルチャージャーの血も豊富ですが、相方となるべきプリンスキロの血は1本だけで、ハイインローの血も不足しています。
さらに、問題なのは、ディープの側との配合的な関連性が弱いという点です。
パレスルーマーは、米クラシックホースの母ですし、良血馬には違いないのでしょうが、それは、米国ダート競馬の文脈における良血ということなのではないでしょうか。

(3)まとめ
この手の配合のディープ産駒というと、あまり活躍馬の例が思い浮かびません。
しかし、新馬戦の勝ちっぷりは悪くなかったですし、母の繁殖実績も評価されるべきでしょう。
単純な意味での、「ベスト・トゥ・ベスト」配合として成功する可能性はあると思います。
とはいえ、じわじわ成長するといったタイプではないので、活躍するのなら、はじめからある程度以上のポテンシャルを発揮してくると思われます。
その意味で、明日の黄菊賞は、大きな試金石となりそうですね。

引き続き、馬体のほうも見ていきたいのですが、POG本にもネット上にも見やすい画像がないようなので、またの機会ということにさせてください。